テーマ:伝記/実話

映画評「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年イギリス=ベルギー=アメリカ合作映画 監督テレンス・デイヴィス ネタバレあり アメリカの女流詩人エミリー・ディキンスン(1830-1886)は名前は知っているが、読んだことはない。彼女の人生についてもよく知らない。  満55歳で亡くなったことは当時の平均寿命を考えると特別短命というわけ…
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映画評「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2015年ベルギー=アイルランド合作映画 監督メアリー・マクガキアン ネタバレあり 建築にはさほど詳しくないが、“住宅は住むための機械である”と言ったル・コルビュジエの名前くらいは知っている。タイトルに名前は冠せられているが、主役ではなく、狂言回しである。主役は彼の建築家仲間のアイリーン・グレイ。…
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映画評「永遠のジャンゴ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年フランス映画 監督エチエンヌ・コマール ネタバレあり ジプシー(最近はロマなどとぼかされることが多いが、映画の中でこの言葉が使われているのに倣って僕も使う。ロマはジプシーの一部にすぎないので、別の差別を発生させてしまう)出身でそれらしい野趣あふれるギター・テクニックとメロディーで知られる…
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映画評「5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年ドイツ映画 監督マルク・ローテムント ネタバレあり “幸福”や“奇跡”といった単語に惹かれる人もいらっしゃるのだろうが、僕は寧ろ萎える。まして説明的なサブタイトルも付いている。邦題への批判が真摯な映画ファンの間に多いものの、タイトルに内容と情緒を求めたがる平均的日本人の精神性を変えないと…
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映画評「彼女が目覚めるその日まで」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年アメリカ=アイルランド=カナダ合作映画 監督ジェラード・バレット ネタバレあり またも実話もの。昔の映画は“実話であること”を売りにしなかったがねえ。 新聞社ニューヨーク・ポストで働く21歳のスザンナ(クロエ・グレース・モレッツ)は、先輩マーゴ(ジェニー・スレート)のお墨付きを得て…
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映画評「マルクス・エンゲルス」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年フランス=ベルギー=ドイツ合作映画 監督ラウール・ペック ネタバレあり 一昨年カール・マルクス「資本論」を40年の念願叶って読み終えたが、彼の著作を初めて読んだのは盟友フリードリッヒ・エンゲルスとの共著に当たる「共産党宣言」(1848年)である。それほど昔のことではない。 一言で言…
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映画評「否定と肯定」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2016年イギリス=アメリカ合作映画 監督ミック・ジャクスン ネタバレあり 「シンドラーのリスト」(1993年)に関し“ホロコーストはなかった”説を根拠に批判している御仁を見かけたが、阿呆らしくて相手もしていられない。 本作のヒロインであり原作となったノンフィクションの作者である女性歴史学…
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映画評「ジャコメッティ 最後の肖像」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年イギリス映画 監督スタンリー・トゥッチ ネタバレあり 100年前芥川龍之介が谷崎潤一郎との間で“話らしい話のない小説”をめぐって論争した(「文芸的な、余りに文芸的な」)。初期の頃は話らしい話のある小説を書いていた芥川が物語性のないものの価値を主張したのだから非常に興味深いものがあるが、こ…
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映画評「マーシャル 法廷を変えた男」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年アメリカ映画 監督レジナルド・ハドリン ネタバレあり 今世紀に入ってアメリカのドラマ映画の半分くらい占めるのではないかと思わせるくらい実話ものが多い。これはアメリカのインテリには知っている人も多いであろうアメリカ合衆国で初めて最高裁判事となった黒人サーグッド・マーシャルの若き日を描く伝記…
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映画評「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年チェコ=イギリス=アメリカ合作映画 監督ニキ・カーロ ネタバレあり 一般の人のように事前に内容について触れることのない僕にとっては、誠に有難迷惑の邦題。それを別にしても何とも直截で面白味のない題名である。ノンフィクションならこれで良いが、劇映画ではもう少しこれから見ようとしている人々の…
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映画評「15時17分、パリ行き」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督クリント・イーストウッド ネタバレあり ここ十年以上すっかりTVで見る癖が付いているので、クリント・イーストウッドの監督作品を「キネマ旬報」の年間ベスト10発表の前に観ることはまずなかったが、久しぶりに発表前に観られた。私見ではこの作品がベスト10に入るようでは困る。少…
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映画評「エルネスト」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年日本=キューバ合作映画 監督・阪本順治 ネタバレあり エルネストというタイトルで、ボリビアとキューバが舞台であれば、誰もがチェ・ゲバラの映画であろうと推測する。実際ゲバラ(フアン・ミゲル・バレロ・アコスタ)が広島を訪れる1959年の場面から始まる。彼が広島を訪れたことはTVの番組を通して…
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映画評「オール・アイズ・オン・ミー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年アメリカ映画 監督ベニー・ブーム ネタバレあり NHK-FMが音楽を完全に放送しない(DJの声を曲に被せたりする)ようになって不満に思っていたところ、デジタル放送のセント・ギガが1991年に始まり、早速契約した。2003年に経営破綻するまで洋楽・邦楽のヒット曲を大量に録音した。この頃の音…
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映画評「セザンヌと過ごした時間」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年フランス=ベルギー合作映画 監督ダニエル・トンプソン ネタバレあり フランスの美術家を描いた作品を3作続けて観ることになったが、本作が作品として一番きちんとしている。 1852年、イタリア系であるという理由で虐められるエミール・ゾラを一年先輩のポール・セザンヌが助け、二人の間に長く…
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映画評「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年フランス映画 監督エドアール・ドリュック ネタバレあり ゴーギャンという画家を知ったのはほぼゴッホとほぼ同時だった。中学生の時にTVで観た映画「炎の人ゴッホ」(1956年)にゴッホの画家仲間として出て来たのだ。そのずっと後「黄金の肉体 ゴーギャンの夢」(1986年)という映画を観ているが…
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映画評「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」

☆☆(4点/10点満点中) 2017年フランス=ベルギー=アメリカ合作映画 監督ジャック・ドワイヨン ネタバレあり 題名で解るように、芸術映画である。芸術的な映画の意味にあらず、芸術に関する映画の意味である。より正確に言えば芸術家の映画である。などと言葉遊びするしかないほど映画的に冴えない。日本人にもよく知られた彫刻家ロダンに…
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映画評「マクファーランド-栄光への疾走-」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2015年アメリカ映画 監督ニキ・カーロ ネタバレあり バスケット・ボールが扱われる「コーチ・カーター」は黒人コーチに黒人生徒、ダンスが扱われる「レッスン!」は白人コーチに黒人生徒(だったと思う)、そしてクロス・カントリーが扱われる本作は白人コーチにヒスパニック生徒という違いがあるだけで内容は殆ど…
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映画評「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2016年イギリス映画 監督ロジャー・スポティスウッド ネタバレあり 実話もの。 両親の離婚など色々あり、麻薬中毒になって父親から益々疎略の扱いを受けてストリート・ミュージシャンとして食おうにもなかなか上手く行かない青年ジェームズ・ボーエン(ルーク・トレッダウェイ)が、一匹の野良猫と出会う…
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映画評「残像」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2016年ポーランド映画 監督アンジェイ・ワイダ ネタバレあり アンジェイ・ワイダの遺作。喩えではなく、義憤に駆られて体から汗が噴き出した。 終戦後、共産主義(厳密には共産主義を目指すタイプの社会主義)化されたポーランドは全体主義化を次第に強め、その影響は、第一次大戦の英雄でもありポーラン…
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映画評「アルジェの戦い」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1966年イタリア=アルジェリア合作映画 監督ジッロ・ポンテコルヴォ ネタバレあり 世界的に評価され、日本でも圧倒的に高い評価を得た。小学生だった僕は勿論リアル・タイムでは観ていず、20年後くらいに観て、圧倒された。アルジェリアのフランスからの独立運動をドキュメンタリー・タッチで再現している…
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映画評「ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年チェコ=イギリス=フランス=アメリカ合作映画 監督ショーン・エリス ネタバレあり 戦時中にドイツ人のフリッツ・ラングがアメリカで作った反ナチ映画「死刑執行人もまた死す」と同じ主題を扱っている事実上の英国映画である。 ナチスの占領する祖国チェコに、在英国の亡命政府から派遣された二人の…
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映画評「華麗なる激情」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1965年イギリス=イタリア合作映画 監督キャロル・リード ネタバレあり 40年くらい前にTVの吹き替え版で一度観ているが、恐らくカット版で余り面白くなかった。今回は完全版で相当興味深く観られた。ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂天井画をめぐって葛藤する様子を描くドラマである。 16世紀初…
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映画評「ドリーム」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2016年アメリカ映画 監督セオドア・メルフィ ネタバレあり 僕は、フェミニズムやポリティカル・コレクトネスを露骨に見せる童話の映画化やファンタジーは嫌いだが、フェミニストが喜びそうな女性が現実的に活躍する作品は(必ずしも)嫌いではない。女性を活躍させないのはその国家や民族や地域にとって損失であ…
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映画評「静かなる叫び」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2009年カナダ映画 監督ドニ・ヴィルヌーヴ ネタバレあり ドニ・ヴィルヌーヴが「灼熱の魂」の前に発表した実話もの。ぐっとインディっぽいモノクロの作りで、尺も77分と短い。 1989年12月。モントリオール理工科大学にフェミニズムにより人生を台無しにされたと考えた若者マクシム・ゴーデットが…
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映画評「汚れたミルク/あるサラリーマンの告発」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2014年インド=フランス合作映画 監督ダニス・タノヴィッチ ネタバレあり ダニス・タノヴィッチとしては4ヶ月前に見た「サラエヴォの銃声」より古い作品。世界的に大々的には見られなかったらしいが、その理由は中身を見ると少し解る。 1994年パキスタンの多国籍企業に就職した青年アヤン(イムラン・…
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映画評「ヒトラーへの285枚の葉書」

☆☆★(5点/10点満点中) 2016年イギリス=フランス=ドイツ合作映画 監督ヴァンサン・ペレーズ ネタバレあり ドイツの作家ハンス・ファラダがゲシュタポの残した文書に基づき小説化した作品の恐らく5度目の映像化(IMDbによりチェック)で、映画化は今回が初めてと理解する。 1940年に息子に戦死されて憤った職工長オット…
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映画評「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2016年アメリカ映画 監督ジョン・リー・ハンコック ネタバレあり 僕は自らファースト・フード店に入ったことがない。友人や上司に付き合って入ったくらいである。非常な食べ物オンチだ。本作はマクドナルド創建秘話といったところで、それ自体にはさほど興味が湧かないが、要領良く進めていて映画としては悪くな…
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映画評「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年アメリカ=チリ=フランス=香港合作映画 監督パブロ・ラライン ネタバレあり ジョン・F・ケネディ大統領夫人ジャクリーン・ケネディの夫暗殺当日を含め四日間の心理を描く一種の伝記映画。 その四日間を導き出す話術上の工夫が、実際に大統領暗殺の1週間後に為されたセオドア・ホワイトによるジャ…
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映画評「ラビング 愛という名前のふたり」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年アメリカ=イギリス合作映画 監督ジェフ・ニコルズ ネタバレあり 先般観た実話の映画化「ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男」と重なる、これもまた実話もの。 1958年人種違いの結婚を法的に禁止していたヴァージニア州で、白人のレンガ職人リチャード・ラヴィング(ジョエル・エドガート…
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映画評「パトリオット・デイ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年アメリカ映画 監督ピーター・バーグ ネタバレあり 2013年4月15日にボストン・マラソンのゴール地点で起きたテロ事件の顛末を映画化したドラマ。但し、マーク・ウォールバーグ演ずる主人公の警官は架空の人物、と言おうか、複数の警官を合体させた模様で、作品の性格上は極めて狂言回しに近い。 …
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