映画評「TENET テネット」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2020年アメリカ=イギリス合作映画 監督クリストファー・ノーラン ネタバレあり 文字通り時間がどんどん逆行して展開する映画「メメント」(2000年)を出世作とするクリストファー・ノーランとしては、自身頗る興味のあるテーマに再び取り組んだと言えましょう。しかし、何故か「メメント」に言及する人が少…
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映画評「女吸血鬼」

☆☆★(5点/10点満点中) 1959年日本映画 監督・中川信夫 ネタバレあり タイトルは客寄せの為のインチキで、女吸血鬼なるものは出て来ない。女性の血だけを吸う偏った吸血鬼(西洋のものも何故か圧倒的に女性が吸われる)が出て来るだけである。 新聞記者の和田桂之助が婚約者の池内淳子の誕生日祝いの為に、その父親たる科学者中村…
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映画評「私の知らないわたしの素顔」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督サフィ・ネブー ネタバレあり 中年シングルマザーの孤独な心理をなりすましができるネットを手段に描き出した心理サスペンスである。 前半はサスペンス性は殆どなく、二人の男児の母親である文学・文学史の教授クレール(ジュリエット・ビノシュ)が、年の離れた恋…
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映画評「瀧の白糸」(1933年版)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1933年日本映画 監督・溝口健二 ネタバレあり 泉鏡花の同名戯曲を溝口健二が映画化したサイレント映画。1980年代以来の再鑑賞。衛星放送を録画したものを保存してあるが、今回はプライムビデオで観た。 江戸時代の風俗もまだ残る文明開化の明治半ば。水芸人として一世を風靡する滝の白糸こと水島友(…
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映画評「母との約束、250通の手紙」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年フランス=ベルギー合作映画 監督エリック・バルビエ ネタバレあり 文学史には詳しいと思うが、現代文学には甚だ疎く、本作の原作に当たる自伝小説「夜明けの約束」を書いたロマン・ガリも知らない。  Wikipediaによると、僕が非常に気に入った映画「これからの人生」の原作を書いたエミール・…
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映画評「事故物件 恐い間取り」

☆★(3点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・中田秀夫 ネタバレあり 題名に興味が湧いたので観てみたが、お粗末にすぎる。松原タニシという芸人の体験(を記したノンフィクション)を映画化したホラー映画。  ホラーに実績のある中田秀夫が監督をしたのにこの出来栄えでは誠にがっかりさせられる。割合好評なallcinemaの投稿…
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映画評「ブルータル・ジャスティス」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年カナダ=イギリス=アメリカ合作映画 監督S・クレイグ・ザラー ネタバレあり メル・ギブスン主演で159分という大長編犯罪映画なのに、WOWOWでは雑魚(ざこ)扱いで危うく見落とすところだった。 出所したばかりの黒人青年トニー・キトルズが悪友マイケル・J・ホワイトに誘われ、ある犯罪に…
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映画評「ザ・ビースト」(2019年)

☆☆(4点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ニック・パウエル ネタバレあり 昔のB級(低予算)映画はお話も画面もダメという作品がある一方、お話はダメでも画面は良いという作品も結構あった。しかし、現在のB級映画に良い画面を求めるのはなかなか難しいようである。  尤も、現在特にアメリカ映画界ではコスト高が目立ち、B級…
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映画評「海の上のピアニスト イタリア完全版」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1998年イタリア映画 監督ジュゼッペ・トルナトーレ ネタバレあり 僕の記憶では【スクリーン】誌でも【キネマ旬報】誌でもベスト10を逃した、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の不遇の秀作である。個人的には「ニュー・シネマ・パラダイス」に勝るとも劣らない秀作と思う。今回観たのは、前回より44分も長い1…
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映画評「冬時間のパリ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年フランス映画 監督オリヴィエ・アサイヤス ネタバレあり 二日続けて出版関係とは恐れ入りました。WOWOWの意図か偶然か? 監督は「夏時間の庭」(2008年)のオリヴィエ・アサイヤス。 フランス流私小説作家ヴァンサン・マケーニュは、付き合っている女性たちとの関係を綴る小説を書き続けて…
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映画評「さよなら、僕のマンハッタン」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年アメリカ映画 監督マーク・ウェブ ネタバレあり 青春映画の佳作「(500)日のサマー」で一躍日本で知られることになったマーク・ウェブ監督の作品で、これまたなかなかの佳作だった「ギフテッド」と同じ年に製作された青春映画。  ユーモアの希薄なウッディー・アレンの映画と思えば、当たらずと雖も…
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映画評「ソング・トゥ・ソング」

☆☆(4点/10点満点中) 2017年アメリカ映画 監督テレンス・マリック ネタバレあり テレンス・マリックは30年間非常な寡作家であった。1973年のデビュー作「地獄の逃避行」の32年後に発表した「ニュー・ワールド」がやっと第4作である。ところが、どういう心境の変化か、2011年以降9年間で6作も作っている。多作ではないが、…
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映画評「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・豊島圭介 ネタバレあり 昨年は三島由紀夫没後50年なのでもっと騒がれるかと思ったが、それほどでもなかったような気がする。しかし、こんな映画も紹介されていたのだ。【キネマ旬報】の文化映画ベスト10に選出されていたので題名は知っていた。プライムビデオ無料枠にあると、常連の浅…
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映画評「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督タイラー・ニルスン、マイケル・シュワルツ ネタバレあり 最初の舞台はヴァージニア州。老人ホームに特別に収容されているダウン症の若者ザック・ゴッサーゲンが、プロレスラーになる夢を叶えようと、憧れるトーマス・ヘイデン・チャーチが開いているレスラー養成所を目指して脱走する。…
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映画評「スペシャリスト」(1969年)

☆☆(4点/10点満点中) 1969年イタリア=フランス合作映画 監督セルジョ・コルブッチ ネタバレあり 古い映画に関してWOWOWよりはマシだが、NHK-BSPも既に保存版作成済みのものばかりで本当につまらない。昔なら保存版はおろか鑑賞するかどうかも躊躇するような本作のような作品をこうして保存版にして観るのも、WOWOWがす…
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映画評「嘆きのテレーズ」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1953年フランス映画 監督マルセル・カルネ ネタバレあり 1980年頃に観て以来5年に一度くらい再鑑賞していたが、2000年代初めを最後に20年くらいご無沙汰した。ハイビジョン版も持っているものの、今回は省エネのためにプライムビデオで観た。画質はDVD並みで少し不満が残る。  エミール・…
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映画評「港の日本娘」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1933年日本映画 監督・清水宏 ネタバレあり 歩くのを撮るのが好きな監督に近年ではリチャード・リンクレイターがいるが、元祖とも言えそうなのが我が邦の清水宏監督である。共に会話をする二人を捉える時に歩くのと同じスピードのドリー・バックを使うことが多い。本作でも最初から歩く女学生二人が出て来る。 …
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映画評「マーウェン」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ=日本合作映画 監督ロバート・ゼメキス ネタバレあり ロバート・ゼメキスが監督した実話もの。最近は実話ものと言っても、良くも悪くもポリティカル・コレクトネスを意識したものが大半で、本作など典型であろう。僕は人権意識が割合高いので、人権を訴える思想自体は歓迎するが、その為に映画の作…
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映画評「セルビア・クライシス~1914バルカン半島の危機~」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年セルビア=ギリシャ合作映画 監督ペータル・リストフスキー ネタバレあり 日本劇場未公開のセルビア映画だが、2019年度アカデミー賞国際長編映画賞(かつての外国語映画賞)のセルビア代表になったということで、WOWOWでの放映で観てみた。 オーストリア大公夫妻がボスニア系セルビア人に殺…
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映画評「健さん」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2016年日本映画 監督・日比遊一 ネタバレあり 僕が映画ファンになり立ての1970年代初め、昼間よくTVで高倉健の任侠映画をやっていたが、当時は洋画オンリーの子供だったので殆ど観た記憶はない。「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)を最初に観たのもTVで(後年名画座でも観る)、映画館で高倉健をき…
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