映画評「チィファの手紙」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年中国映画 監督・岩井俊二 ネタバレあり たまげたなあ、岩井俊二が昨年強いロマンティシズムで陶酔させてくれた「ラストレター」の前に自分の原作を中国でも映画化していたとは! しかし、事前にそれを知っていたため最初から比較するつもりで観たわけで、それが良かったのか悪かったのか。少なくとも驚き…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「博士と狂人」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年イギリス=アメリカ=アイルランド=フランス=メキシコ=ベルギー合作映画 監督ファラド・サフィニア ネタバレあり 英国版「舟を編む」である。この作品でも舟に喩えられているように、辞書作りとはそういうものなのだろう。「舟を編む」の作者三浦しおんも、本作で扱われるオックスフォード英語大辞典(…
コメント:11

続きを読むread more

映画評「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」

☆☆(4点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・深川栄洋 ネタバレあり 中山七里のミステリー・サスペンスの映画化。今月(8月)観た日本製サスペンスはいずれもダメだった。面白くなる可能性が一番あったのは本作だけに、がっかり度も一番大きい。 子供の110番により父親が謎の医者と看護婦に安楽死させられる事件が発覚する。 …
コメント:0

続きを読むread more

映画評「マティアス&マキシム」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年カナダ映画 監督グザヴィエ・ドラン ネタバレあり グザヴィエ・ドランは退屈するという意味において苦手である。本作は彼の監督作品と知らずに観たが、今までの中で一番退屈したと思う。  僕はお話の退屈度で評価はしない。どんなに退屈させられても、映画としての結構が整っていれば☆☆★くらいは付け…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「鉄道運転士の花束」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年セルビア=クロアチア合作映画 監督ミロシュ・ラドヴィッチ ネタバレあり セルビアとクロアチアの合作作品。タイトルからは伺い知れないが、ブラック・コメディーである。 引退を考えているベテランの鉄道運転士イリヤ(ラザル・リストフスキー)は、数十人の男女を轢き殺してい、壮絶な報告に耐え切…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「『エロ事師たち』より 人類学入門」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1966年日本映画 監督・今村昌平 ネタバレあり 野坂昭如のデビュー小説を今村昌平が映画化した風俗ドラマである。  1980年代末か90年代初めの頃に地上波で短尺版を観た。30分以上のカットがあったので、実質的に初鑑賞と言っても良いくらい。 1960年代前半の大阪。未亡人・春(坂本スミ子…
コメント:4

続きを読むread more

映画評「ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年アメリカ=イギリス合作映画 監督ニーシャ・ガナトラ ネタバレあり このところ公開される音楽関係のドラマ映画に良いものが多い。傑作とは言えないまでも後味が良いものが目立つ。しかし、邦題サブタイトルの “ふたり” が誰を指すのか不明でござる。 大ベテランで暫くスタジオ・アルバムを出して…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「デ・パルマ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2015年アメリカ映画 監督ノア・バウムバック、ジェイク・パルトロー ネタバレあり 映画監督をめぐるドキュメンタリーは近年なかなかに隆盛しているが、本作は映画のインタビュー・ドキュメンタリーとしては変わり種と言っても良いのかもしれない。  と言うのも、通常は他人が監督についてあれこれと語るのだが…
コメント:2

続きを読むread more

オリンピックとパラリンピックの狭間で

 高校野球を観る(笑)。  今夏の全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)は僕が知る限り最も雨に祟られた大会となりました。それが影響したのか解りませんが、準々決勝は西日本大会の趣きとなり、準決勝は全て近畿勢に独占され即ち事実上の近畿大会になりました。近畿は僕が半世紀前に高校野球を観るようになって以降いつでも強いですが、近年東北勢が昔に…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ミッドナイトスワン」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・内田英治 ネタバレあり トランスジェンダーと性同一性障害は別物らしいが、僕にはよくその違いが解らない。本作にはどちらの単語も出て来ないが、映画サイトでの紹介では主人公はトランスジェンダーとあり、本編を見ると本人は性同一性障害に苦しんでいる。本作は区別していないということに…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ペイン・アンド・グローリー」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年スペイン=フランス合作映画 監督ペドロ・アルモドバル ネタバレあり ペドロ・アルモドバル監督の最新作(公開待機中のものを除く)は自伝的映画あるい私小説映画である。紹介の文章を読まずとも、彼の作品をずっと観て来た人ならピンと来る内容である。 ベテランの映画監督サルバドール(アントニ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「スペシャルアクターズ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・上田慎一郎 ネタバレあり 「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督の作品で、集団が一つのことに向けて何かをやるという共通点ががある。しかも演劇・映画周辺という設定も共通。 緊張すると倒れてしまう役者志願の青年・大澤数人が、依頼者の為にお話を考えて役者を投入することで案…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ライブ・フレッシュ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1997年スペイン=フランス合作映画 監督ペドロ・アルモドバル ネタバレあり ペドロ・アルモドバル監督の作品は大体見て来たが、新作以外で珍しく本作は未鑑賞。多分WOWOWに出て来なかったのだろう。 1970年戒厳令下のスペインで、娼婦(ペネロペ・クルス)がバスの中で出産する。  ビクトル…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「太陽は動かない」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・羽住英一郎 ネタバレあり どちらかと言えば純文学作家である吉田修一の同名小説の映画化。映画化されたものは大衆的サスペンスであり、原作も純文学ではなさそうである。  しかし、この映画も例によって日本のサスペンス映画の悪い癖が出てサスペンスの純度が低く、余り面白くない。佐藤…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「アルプススタンドのはしの方」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・域定秀夫 ネタバレあり 今年の全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)は文字通り雨模様で、今までのところやれない日が多い。オリンピックとの関係で開幕を少し遅らせたのも痛い。  本作はそれとは対照的に誠に天気の良い甲子園の一試合を背景に語られる。あくまで弱小チームの学校…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「罪の声」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・土井裕泰 ネタバレあり グリコ・森永事件に着想を得て書かれたことが一目瞭然の塩田武士の小説を映画化したミステリー。監督がTV畑の印象が強い土井裕泰と聞くと映画ファンはがっかりするかもしれないが、なかなかがっちり映画化している。 テーラー店の青年店主・星野源が偶然1…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「82年生まれ、キム・ジヨン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年韓国映画 監督キム・ドヨン ネタバレあり 新聞の文芸欄でこの題名を読んだことがある。勿論、そこで取り上げられた小説の地元・韓国による映画化である。ストーリーよりメッセージという印象がある為、余り梗概を書く気が起こらないのだが、簡単に書いてみる。 キム・ジヨン(チョン・ユミ)は30…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ミッドウェイ」(2019年)

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=カナダ=中国合作映画 監督ローランド・エメリッヒ ネタバレあり 1976年に同じ題名(原題・邦題とも)の戦争映画が作られた。余り感心できなかった。ローランド・エメリッヒ監督の本作は如何だろうか? 1942年6月のミッドウェー海戦は、太平洋戦争における日米の優劣関係を逆転さ…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ ネタバレあり サブタイトルが良くない。長いだけでなく実に散文的で、まるでTVの単発ドラマみたいだ。一般の人は配給会社を責めることが多いが、そこには観客の民度が関係しているわけで、配給会社ばかりを責めるのは正しくな…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ルース・エドガー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ジュリアス・オナー ネタバレあり ティム・ロスとナオミ・ワッツの白人夫婦がエチオピアの隣国エリトリアの難民少年を引き取って白人のような名前を授けてから十年後のこと。  頗る優秀な黒人生徒になった彼ケルヴィン・ハリスン・ジュニアが、黒人の歴史教師オクタヴィア・スペンサ…
コメント:0

続きを読むread more