映画評「乳房よ永遠なれ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1955年日本映画 監督・田中絹代 ネタバレあり 田中絹代監督第3作は、夭折した女流歌人・中城ふみ子の後半生を綴った伝記映画の類。主人公以下もじった名前に変えられているので、僕は類とする。原作は若月彰のルポルタージュ。 北海道。碌に仕事もしていないらしい見合い結婚の夫と不仲である主婦・下城…
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映画評「月は上りぬ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1955年日本映画 監督・田中絹代 ネタバレあり 海外特に欧米では監督に進出する女優が少なくなく、グレタ・ガーウィグのようにクリント・イーストウッドのような大物監督になる才能を感じさせる人も出ているのに、日本では極めて少ない。名のある女優で、監督作を何本か発表したのは本作を第2作とする田中絹代く…
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映画評「霧の波止場」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1938年フランス映画 監督マルセル・カルネ ネタバレあり マルセル・カルネの戦前の代表作で、30年ぶりくらいの再鑑賞になりましょうか。 ベトナム(と字幕には出る。インドシナと言っているかもしれないが、フランス語なので解らない)の戦線から脱走した兵隊ジャン・ギャバンがトラックに拾ってもらい…
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映画評「家族を想うとき」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年イギリス=フランス=ベルギー合作映画 監督ケン・ローチ ネタバレあり 作り物の面白味はケン・ローチに求められない一方、このお話は対岸の火事ではないと強く認識する必要がある。 小学生の娘ライザ・ジェーン(ケイティ・プロクター)と高校生の息子セブ(リス・ストーン)を育成する為に母親ア…
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映画評「ばるぼら」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本=ドイツ=イギリス合作映画 監督・手塚眞 ネタバレあり 手塚治虫の長編漫画を息子の手塚眞が映画化。 平成の谷崎潤一郎(原作が書かれたのは昭和であるが)と言われんばかりの耽美派人気作家・美倉洋介(稲垣吾郎)がスランプに陥っている最中、路上で酔いつぶれた少女ばるぼら(二階堂ふみ)を…
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映画評「コンフィデンスマンJP プリンセス編」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・田中亮 ネタバレあり 昨年の三月に第一作を観た。その時元気に出演していた三浦春馬と竹内結子が、本作の劇場公開前後に相次いで自殺してしまった。二人とも前回ほどの活躍ではないにしても本作で姿を見せているので、どうも怏々とした気持ちで観始め、そのせいもあってか乗れず終い。  …
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映画評「かもめ」(2018年)

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督マイケル・メイヤー ネタバレあり ロシアの作家の中でも特にご贔屓にしているアントン・チェーホフの四大戯曲の一つ。“喜劇”と名付けられた一種の悲劇である。日本劇場未公開作。 19世紀末のロシア。湖のそばにある邸で、作家志望の若者コンスタンチン(ビリー・ハウル)、時々…
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映画評「眉山」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2007年日本映画 監督・犬童一心 ネタバレあり 僕はグレープと初期のさだまさしのセンチメンタルすぎるくらいの叙情路線(グレープ時代の「ほおずき」を一番愛する)が大好きだから、彼の小説も恐らくは内容的には嫌いではないと想像する。  映画化作品に佳作以上と思われるものはなくとも、後味は良いのではな…
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映画評「セブン・チャンス」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1925年アメリカ映画 監督バスター・キートン ネタバレあり 映画ファンを自称するようになってさほど経たない1973年にチャールズ・チャップリンと共にバスター・キートンの作品がシリーズでリバイバルで公開され始めた。日本初公開の時は「キートンの栃麺棒」という、現在ではほぼ意味不明の邦題で公開された…
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映画評「アリバイなき男」

☆★(3点/10点満点中) 1952年アメリカ映画 監督フィル・カールスン ネタバレあり IMDbでの平均点は7.4と、信じがたい高評価を得ているが、この映画は特にお話が良くないだろうと思う。 発端はクェンティン・タランティーノの「レザボア・ドッグス」(1992年)に影響を与えたような感じで、なかなか好調。  即ち、正…
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映画評「人間の時間」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年韓国映画 監督キム・ギドク ネタバレあり キム・ギドクが昨年末コロナで亡くなった時日本のTVは殆ど報道しなかった。日本での知名度を考えれば仕方がないのかもしれないが、日本の映画ファンには彼が好きな人は多いし、僕も相当ご贔屓にしている。2010年代に入って形而上的な内容から離れた結果一時…
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映画評「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督フランソワ・オゾン ネタバレあり アメリカ映画「スポットライト 世紀のスクープ」(2015年)と同工異曲の実話ものである。違うのは、「スポットライト」は記者が公憤の立場からカトリック教会の神父による小児性愛を暴露し、こちらは被害者たちが自ら巨大なカトリッ…
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映画評「ポップ・スター」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ブラディ・コーベット ネタバレあり 二日続けてのナタリー・ポートマン主演映画で、こちらも評判が誠に悪い。  色々な要因がありそうだが、幕切れにおける唐突な終わり方が結構大きな理由となっていると考える。大衆はもっと明確かつ主張のある幕切れを求めるのである。 200…
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映画評「ルーシー・イン・ザ・スカイ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ノア・ホーリー ネタバレあり リサ・ノワックという女性宇宙飛行士が起こした事件をベースにしたフィクション。日本劇場未公開。 ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」は直接的には関係ないが、映画の半分を過ぎたところで、リサ・ハニガンによるカバ…
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映画評「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年ポーランド=イギリス=ウクライナ合作映画 監督アグニエシュカ・ホランド ネタバレあり ガレス・ジョーンズというジャーナリストを取り上げた実話ものである。スターリン時代の旧悪がテーマ。 1933年、英国首相ロイド・ジョージ(ケネス・クラナム)の外交顧問だった青年ガレス(ジェームズ・…
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映画評「エセルとアーネスト ふたりの物語」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2016年イギリス=ルクセンブルク合作映画 監督ロジャー・メインウッド ネタバレあり 常連の浅野佑都さんのお薦め作品。 アニメ映画「風が吹くとき」(1986年)の原作者として知られる劇画家レイモンド・ブリッグズが書いた両親の伝記劇画をアニメ化した作品である。監督ロジャー・メインウッドと製作…
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映画評「凸凹猛獣狩」

☆☆(4点/10点満点中) 1949年アメリカ映画 監督チャールズ・バートン ネタバレあり バッド・アボットとルー・コステロの凸凹コンビの作品は3本くらい観たことがある。全て凸凹で始まる邦題なので失念して観たものの、実は再鑑賞。物凄く可笑しい若しくは面白いものであれば再鑑賞も厭わないが、この程度では避けたいところで、事前にIM…
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映画評「活きる」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1994年中国=香港合作映画 監督チャン・イーモウ ネタバレあり 邦題は黒澤明監督「生きる」と同じ読み方。今よりは多少表現の自由があった中国と香港の合作映画で、かなりかつての政策を風刺的に捉えているので、中国本土では上映禁止になっているらしい。 中国映画も80年代後半から暫く本作を監督した…
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映画評「ライド・ライク・ア・ガール」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年オーストラリア映画 監督レイチェル・グリフィス ネタバレあり あらゆるスポーツの中で女性が男性と伍することができる競技は馬術と競馬ではないかと思う。勿論どの競技においてもトップの女性選手は、98か99%の男性より速かったり強かったりするわけだが、オリンピックで一緒に競技させるわけには行か…
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映画評「ランボー ラスト・ブラッド」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=香港=フランス=ブルガリア=スペイン=スウェーデン合作映画 監督エイドリアン・グルンバーグ ネタバレあり 第4作が作られた時もびっくりしたが、それから11年も経ち、ランボーのシルヴェスター・スタローンも撮影時72歳くらいになったのだから、第5弾製作にはそれこそビックリでござる。…
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