映画評「エジソンズ・ゲーム」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年アメリカ=イギリス=ロシア合作映画 監督アルフォンソ・ゴメス=レホン
ネタバレあり

偶然にも先日のNHK「チコちゃんに叱られる!」が、“ハリウッドは何故映画の都になったのか”というテーマを取り上げた時に、本作の内容をほぼそのままごく簡単に紹介していた。それに気づいてある時点から甚だ興覚める思いをしたが、気を取り直して観続ける。

蓄音機や電球を発明したトーマス・エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)が直流による送電システム構築を目論むと、鉄道の空気ブレーキを発明した実業家ジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)が安価でしかも広範囲をカバーできる交流方式を打ち出し、主導権争いを演ずることになる。
 エジソンは天才ニコラ・ステラ(ニコラス・ホルト)を雇うが、改良の対価の約束を反故にされ交流を進めたいステラはエジソンの会社を去り、最終的にはウェスティングハウスに協力することになる。
 エジソンは、交流電気によろ死刑に行うという案が出て来た時に関係者に教授する一方、これをチャンスに交流の生命に対する危険性を喧伝するものの、結局危険性がエジソンの言う程のものでなく、経済原理に従って安いほうに流れたため送電システム争いに負ける。

製作者であったハーヴェイ・ワインスタインのハラスメント問題があり、しかも彼の指導したバージョンが試写会等で非常に不評であった為、現在こうして観られるのはディレクターズ・カット版。世評もこちらのほうが遥かに良いらしい。
 ワインスタイン版が何故不評だったかと言えば、Wikipediaによると、かの版は昔の偉人伝記映画よろしくエジソンがただの好人物に描かれていたことによるらしい。確かに、ディレクターズ・カット版は撮影時の方向性に沿って、ウェスティングハウスに対して露骨な妨害工作をするなど弱い面のある人間として描かれている。
 しかるに、こちらの版における “エジソンはお金に興味がない” と指摘される性格も事実と違うと思われる。ハリウッドが出来る原因となったのは東海岸の映画関係者が機材の権利料(のようなもの)支払いをエジソン側から強く要求され、それを逃れる為に西へ進出したから・・・という事実を考えれば、お金にも興味があった筈である。但し、お金以上に名誉等に興味があるという意味であれば理解できないでもない。

案外知られていない逸話であり、その限りにおいて一応興味深く描かれている。しかし、技術的には何ということもない作品と思う。

一時Wikipediaの“TOKIO”の項目に、問題を起こして脱退した山口達也の名前が全く見当たらなかった。現在は元メンバーとして記載されている。 この映画のクレジットからもワインスタインの名前は完全に排除。僕は部下の女性を相手に“被害者の権利がもっと尊重されなければならない”と主張した経験があるが、この二件は加害者の人権が踏みにじられている感じがする。

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