映画評「やっぱり契約破棄していいですか!?」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2018年イギリス映画 監督トム・エドモンズ
ネタバレあり

こういう軽味のあるブラック・コメディーは英国映画にしか出来ない。それを確認できただけでも観た甲斐がありました。

売れない若い作家アナイリン・バーナードが橋の欄干に立っていると、60代とおぼしき男性トム・ウィルキンスンから名刺を渡される。若者は何をやっても死ねないので、後日、暗殺を業務とする企業に勤めるくだんの男に電話をかけカフェで会い、射殺による暗殺契約を結ぶ。
 ところが、彼の小説に興味を示す出版社が現れ、その美人編集者フレイア・メイヴァーと昵懇になって生き甲斐が生れ、契約破棄を申し出ると、取り消しできないと言われる。
 一方、彼女の上司を殺してしまうというドジを踏み首を言い渡されたウィルキンスンは生きがいを失い、ノルマを達成すべく彼の暗殺に拘る。仕事を止めようとしないウィルキンスン殺しを依頼されたロシア人の殺し屋が、二人を殺そうとする彼の前に現れ、関係者全員が鉢合わせ、少々ややこしいことになる。

大体こんなお話で、面白いのは、自殺の外注と殺し屋が勤める会社という観念。他人に自分の殺しを依頼する自殺志願者という設定はこれまでになかったこともないが、その殺しを引き受けるのを一種の会社員にすることでとぼけた印象が強く醸成され、少々新味が出た。

このブラック・ユーモア感覚は、アルフレッド・ヒッチコック監督「ハリーの災難」(1956年)を思い起こさせ、嬉しくなった。
 後半、生き甲斐ができて依頼の取り消しにあくせくするなど、この手のお話の定石通りの展開が目立つが、殺し屋夫婦の会話はやはりヒッチコック「フレンジー」(1971年)における刑事夫婦のやりとりに似た面白さ。しかし、この点に関しては、同作のおとぼけに大分遠い。残念でした。

契約破棄と言えば、昨日Wifiルーターをアマゾンに注文した時に何故かプライム無料会員になってしまった。おかげで今日届くらしい。ずっと無料なら良いが、1か月後には有料になる。映画など無料で観られる特典があるも、多分僕の観たい映画は殆どない。早めに契約破棄しないと、アマゾンに殺される(笑)。

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