映画評「MEG ザ・モンスター」

☆☆(4点/10点満点中)
2018年アメリカ=中国合作映画 監督ジョン・タートルトーブ
ネタバレあり

【Yahoo!映画】では中国絡みを理由に低評価している人が圧倒的に多いが、中国が資本に絡もうと中国人が重要な役で出て来ようと余程意図的に政治主張を押し出さない限り当方の評価に影響を及ぼさない。僕が本作に多く☆★を進呈できないのは、純粋に映画として感興が湧かない内容だからである。

序盤は、1980年代後半に流行った深海を舞台にした作品を彷彿とする。海抜マイナス1万メートルの海溝を探査するグループが、大型生物に襲われ帰還できなくなる。そこでグループの医師に嫌われているレスキュー・ダイバーのジェイスン・ステイサムが招聘され、指揮を執る前妻などのクルーを救出する。彼女の証言により医師の誤解は解けるも、今度はグループ総監督の娘で海洋博士のリー・ピンピンに嫌われる。
 彼らを遭難させた犯人は200万年前に絶滅したと思われている巨大サメのメガロドン。しかし、その攻撃を避けて彼女を救出したことでその好意も勝ち取る。彼女の娘の貢献度も高い。
 ところが、このお化けが浅い海中にある研究所に現れたことから、こいつを退治する必要性が出て来る。ここからジュール・ヴェルヌ的発想を加えた「ジョーズ」的展開になる。或いは「ジュラシック・パーク」的発想に近い、と言って良い

つまり新味がなく、しかも人物配置など型通りの構成なので、まるで興味が続かないという次第。

SF的にも疑問が多い。化石的な超深海サメが海底から浅海まで現れた理由が説明されるところまでは良いが、1万メートルの深海魚が急激に浅海に行けば、攻撃を加えるまでもなく、1000:1という水圧の差により内部から破裂してしまうはずである(時間をかければほぼ等圧で推移するので問題なし)。或いは、そんな深海に200万年もいればメガではなく眼が殆ど無くなってしてしまうなど、浅海のサメと同じ構造ではなくなるだろう。

科学的疑問はさておいて、終盤に「ジョーズ」を思わせる海水浴場でのパニックがある。しかし、この場面は、グループ側とのカットバックの呼吸が甚だひどくて見るに堪えない。監督をしたジョン・タートルトープの責任になってしまうのかもしれないが、編集の設計が悪いのである。
 ちょっと良いと思えるのは、クルーが海中に投げ出された後この辺りでもう一度襲ってくるはずと思わせるタイミングで襲わせず、もうなかろうと思っているところで出してくる箇所。頭ではなく本能に訴えるショック演出だから褒めるに値しないのかもしれないものの、工夫ではあると思う。

合作ではなくても現在のハリウッドのメジャーはミーハーな中国大衆がターゲットだから、どうしてもこういう大雑把なファンタジー系映画が多くなる。それに付き合わされる意識の高い日本人映画ファンはかなわんよ。

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