映画評「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年イギリス=アメリカ合作映画 監督デーヴィッド・イェーツ
ネタバレあり

「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフ的な前日談。ハリー・ポッターらがホグワーツで学んだ書物の題名をタイトルにしているらしいが、「ハリー・ポッター」の中で紹介された本の邦題と映画の邦題は違う。こういうのはマニア的にはどうなのだろうか。

前シリーズ終盤から継投となっているデーヴィッド・イェーツは素直な演出家で、相変わらず見やすい。

舞台は1926年のアメリカ、魔法生物の研究家ニュート・スキャマンダー(エディー・レッドメイン)がアメリカに降り立つや否や、アメリカでは存在しないことにされている魔法使いの実在と危険性を訴える女性メアリー・ルー(サマンサ・モートン)を見出す。
 その間に彼の鞄から魔法生物が抜け出し、彼が回収を図るうちに、パン屋の開業を目指したものの融資を銀行に断られたコワルスキー(ダン・フォグラー)と交錯し、その騒動のうちに、闇払いを仕事とする魔法使いティナ(キャサリン・ウォーターストン)とその妹クイニー(アリスン・スドル)と知り合う。
 ニュートとティナは議員殺害発生の責任により処刑されどうになるが、何とかピンチを抜け出すと、メアリー・ルーの養子の一人クリーデンス(エズラ・ミラー)が議員殺害に始まる街の混乱に関係していることに気づき、彼の怒りを培養して活動する寄生生物オブスキュラスやクリーデンスを利用しようとする闇の魔法使いグリンデルワルト(コリン・ファレル→ジョニー・デップ)と対決することになる。

「ハリー・ポッター」シリーズのお話は大人が観るには多少子供っぽすぎるところがあり、それは脚本を原作者J・K.ローリングが書いているので本作にもそのまま引き継がれている一方、構図が単純すぎず複雑すぎず程良い。21世紀になってあふれて来た若者向けファンタジーの中では中の上くらいの面白さである・・・と、曖昧に誤魔化そうとしたのは具体的に指摘したいことが余りないからだが、敢えて言えば、幕切れが“デウス・エクス・マキナ”的にすぎる。

初めての固有名詞群は年寄りにも何とか憶えきれる程度の量で、しかも第1作故に旧作の記憶がなくても楽しめるというところが良い。しかし、次を見る頃は前の作品の内容をかなり忘れ、かと言って復習する気などさらさら起きない老骨は次回以降苦しむことになる。

「ハリー・ポッター」シリーズが小学生時代から大好きで、それが英国留学の理由の一つにもなった甥は、本作をどう捉えているのだろうか。

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