映画評「シャーロットのおくりもの」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2006年アメリカ映画 監督ゲイリー・ウィニック
ネタバレあり

E・B・ホワイトのこの有名な童話は1960年代TVミニシリーズで一度、72年にアニメ映画で一度映像化され、アニメ映画版は三十余年前に観たことがある。今回が三度目の映像化。

画像

ある年の春、小さな農家に生まれた子ブタが間引きされそうになったのを娘のファーン(ダコタ・ファニング)が救い、やがて隣の大農家に飼ってもらうことになる。
 ウィルバーと名付けられた子ブタ君は納屋の家畜たちと知り合うが、冬になると燻製にされる運命と知らされて大ショックを受ける。しかし、メス蜘蛛のシャーロットがただ一人友達になってくれた彼を救おうと、文字を懸命に作り始める。

画像

という物語はアニメ版と全く変わらないが、ネズミのテンプルトンの活躍は最近の作品らしく随分賑やかで些か詩情を殺ぐ印象を否めない一方、楽しく作られているのも確か。

自分で言うのも何であるが僕は生まれつき慈悲深くて、虫を殺すことができない。そんな事情で昨年末に蛍光灯に住み着いた蜘蛛を二ヶ月ほど放置、たまに観察したところ、実に素早く巣(網)を作ることに驚いたことがある。10分ほどでかなり豪華なレース編みもどきを完成させるのである。シャーロットが巣を作る様子は正にそのままで、よく研究しているなと思ううちに何故かじーんとしてきた。

画像

閑話休題。
 子ブタ君が心優しい蜘蛛に救われましたというお話の真のテーマは輪廻である。そして、輪廻するのは魂だけでなく厚意もまたこうして繰り返されるとでも主張するかのように、ウィルバーが懸命に持ち帰ったシャーロットの卵が孵り蜘蛛の群れになって空中に舞う場面に思わず胸が熱くなる。

動物たちは実写とCGの合成によるものと思われるが、なかなか上出来。

Some movie(大した映画)になるのにはもう一歩でした。

"映画評「シャーロットのおくりもの」" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント