映画評「阿修羅城の瞳」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2005年日本映画 監督・滝田洋二郎
ネタバレあり

「陰陽師」で伝奇ものの実績を上げた滝田洋二郎が演出に当たった伝奇もの。

文化文政というから18世紀末から19世紀初頭、華やいだ外見をよそに巷では人間が鬼になる事態が続いている。鬼殺し出身で現在は歌舞伎役者の出門(市川染五郎)が、女盗人・つばき(宮沢りえ)と恋に落ちるが、彼女は恋に落ちると鬼それも阿修羅になる運命。
 色々とややこしい紆余曲折を経て、結局この二人が最後に直接対決をする、という物語だが、この対決というのが曲者で、対決というより愛撫、その殺陣はまるで踊りである。

それまでそれほど惹かれるものはなかったのだが、この終幕になって俄然目が引き付けられた。
 原作は劇団☆新幹線の舞台劇らしいが、この終幕だけ舞台劇のムードが画面に移されていて、誠に力強いのである。この場面の宮沢りえも美しい。

物足りないのは、この事件の一部始終を観る鶴屋南北の扱いで、狂言回しとしてもう少し気のきいた活躍がほしい。彼の動き次第で全体がもっと面白くなったはず。

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