映画評「さよなら、さよならハリウッド」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2002年アメリカ映画 監督ウッディー・アレン
ネタバレあり

ウッディー・アレンの作品には幾つかの系統があるようだが、その一つは「スターダスト・メモリー」のような楽屋裏映画である。

この作品もその系統に入る作品で、アカデミー賞を二度も獲ったかつての名監督で現在はCM撮影に甘んじているアレンが主人公。
 その彼に二番目の妻ティア・レオニーを奪った憎きトニート・ウィリアムズが重役を務めるハリウッド・メジャー会社からオファーが入る。
 文句は付けたものの背に腹は換えられず、ティアのプロデュースで撮影に入るが、突然目が見えなくなり、映画撮影どころではなくなる。撮影監督の通訳を使って何とか誤魔化すが、彼も追い払われて、結局西海岸から様子見に訪れたティアに全てを打ち明けその協力の下に何とかクランクアップ。

という物語で、実は最近流行の家族再生もテーマの一つになっているのだ。そもそも彼が失明したのもパンク息子に対する心理的逃避が原因で、彼と会ったり、ティアとコミュニケーションを取るうちに自ずと視力は回復していく。

そんな事情で出来た映画だからそれはひどい代物でアメリカの批評家には叩かれるが、フランス批評界から絶賛を受け、やけぼっくいに火が付いてしまったティアと共にフランスに渡る、これぞ正にどんでん返しという幕切れを迎えるわけである。

映画は映像で語るべきであるが、例外と言える監督がエリック・ロメールとこのアレンである。何故なら彼らは言葉で物語を説明しているわけではなく、極論すれば、洪水のような台詞は一種の音楽のようなものなのである。
 アレンとしては特に才気煥発というほどの冴えはないが、個人の趣味としては、映画批評に関する皮肉が感じられるラストを含めてなかなか楽しめた。

本作の中で、「トリュフォーは『汚名』がヒッチコックのベストと言っている」というコメントがあったので「汚名」に続いてUPしたわけですが、分った方はいらっしゃいますか。

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