映画評「マルサの女」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1987年日本映画 監督・伊丹十三
ネタバレあり

伊丹十三の作品はマニュアル映画と呼称するのがふさわしいが、この作品から【現代用語の基礎知識もの】とも言いたくなる一連の社会派娯楽作品を発表し続けることになる。その印象も手伝って初鑑賞当時は前2作とは作風がかなり変わった印象を持ったのだが、こうして見直すとそうでもない。

税務署職員・宮本信子はラブホテル経営者・山崎努に詰め寄るが、敵もさるもの、愛人に印鑑を預けるなどして足を出さない。やがて、その敏腕ぶりが認められ国税局査察部通称マルサに抜擢、上司・津川雅彦や同僚・大地康雄などと抜群のコンビネーションを発揮して、山崎の自宅に攻め込んでいく。

ハリウッド・テイストの娯楽派社会劇は伊丹以前には全くなかったと言っても良い。脱税王とマルサの駆け引きはスリリングだが、ところどころにユーモアをはさんで快調に展開。そのセンスは少なくとも当時の邦画では抜きん出ていたし、今見ても実に面白い。

山崎の子供を巡る挿話は厳密に言えば不要であるが、アクセントになっているので無駄とまでは言い切れない。

本多俊之の手になる主題曲も流行って今でも報道番組などで時々使われているね。

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