映画評「マッチスティック・メン」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2003年アメリカ映画 監督リドリー・スコット
ネタバレあり、未見の方は読むべからず

賞品にかこつけて浄水器を売りつけるケチな詐欺を働いているニコラス・ケージは病的な潔癖症。弟分サム・ロックウェルに紹介された新しい担当医は彼にセラピーを勧め、彼の代わりに電話をした医師の話によると、出て行った妻が産んだという14歳の娘アリスン・ロースンが会いたがっていて、後日二人は会う。
 娘は父親が気に入って家に住み着き、詐欺の練習までする始末。しかも、初めての大きな詐欺で娘を巻き込んでしまい、騙した男から返り討ちに合うが、娘の発砲で男が死に、彼女を守る為にケージは涙ぐましい努力をする。

犯罪映画というよりは父性愛に目覚めるドラマだが、中途半端な印象が付きまとうなと思っていると、最後の10分で覆されることになる。実は最近流行りの「おっとどっこい」型映画だったのである。
 種を明かせば、相棒も担当医も被害者も刑事も皆ぐるで、最後の望みをかけて妻の家に15年ぶりに出かけてみれば、再会した妻は「流産だった」と告げる。考えてみれば元妻は最後まで一度も姿を見せていず、それが伏線であったことが判る。

「シックス・センス」以来最後のびっくりで大得点という映画が増えているが、傾向としては感心しない。最後の意外性だけで映画の評価などしてほしくないからである。
 この映画の場合はびっくり一点に頼らず、父性愛に感銘できる部分があるのは良い。それを過大評価すべきでもないが、バランスが取れているのが良いわけである。リドリー・スコットには珍しいタイプの作品だが、コマ送り的な画面構成があるくらいで、派手な演出は少ない(ように見える)

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