映画評「ライド・ライク・ア・ガール」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2019年オーストラリア映画 監督レイチェル・グリフィス
ネタバレあり

あらゆるスポーツの中で女性が男性と伍することができる競技は馬術と競馬ではないかと思う。勿論どの競技においてもトップの女性選手は、98か99%の男性より速かったり強かったりするわけだが、オリンピックで一緒に競技させるわけには行かない。卓球、テニス、バドミントンでミックス・ダブルスがオリンピックの正式種目になったが、勿論一対一の勝負ではないから出来るだけである。

確か現在オリンピックでは馬術が男性と女性の区別なく出場する唯一の競技と理解する。とは言え、競技人口のせいもあり、馬術も競馬も女性が勝つのは生易しいことではない。本作はそんな世界で頑張った女性の実話である。

オーストラリア。厩舎を経営するペイン家十人兄弟の末娘ミシェル(テリーサ・パーマー)が夢を叶えて騎手になり、姉の落馬死に遭遇、自らも頭がい骨骨折の重傷外の怪我といった艱難を乗り越えて、女性騎手には出場するのも難しいメルボルン・カップに出場、父親(サム・ニール)の教訓を生かし、見事に優勝を果たす。

2015年11月だからついこの間の出来事だ。出場した女性騎手は数名いるとのことだが、160年の歴史の中で唯一優勝した女性騎手である。
 ニューシネマ以前を彷彿とするオーソドックスな伝記映画の構成で、子供時代から始まり、挫折も多く様々な紆余曲折を経るので、どうしても100分を切る長さでは自ずと駆け足的になり物足りない。映画としては平凡である。
 それでも、メルボルン・カップの描写が迫力がある為ヒロインが優勝する瞬間にはほんの少し涙が出た。オカピーを泣かすにテクニックは要らないと巷で言われていますがね(笑)。

驚いたのは、ミシェルのダウン症の兄スティーヴィー・ペインをご本人が演じていることである。それだけならただビックリしただけに終わるが、この兄さんがなかなか上手いのでござる。彼がいての感動と言ったら些かオーヴァーであろうか。

監督は知る人ぞ知る女優レイチェル・グリフィス。監督デビュー作で、女性監督に多いフェミニズム的な作り。僕は、童話などのヒロインを戦闘能力的に強い女性に変えるなどして強引にフェミニズムを打ち出す映画の類は好かないが、この手の実話は大歓迎である。

いつ頃そういう認識を持ったか憶えていないが、女性を活用するのが文化発達の鍵である、と長いこと思っている。イスラム教圏にはそれを理解していない国が多い。東西対立などと言うが、原因は内にある。

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