映画評「クリード 炎の宿敵」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督スティーヴン・ケイプル・ジュニア
ネタバレあり

ロッキー」シリーズのスピンオフ作品の第2弾。まだ作られそうな気もする。

かのシリーズ第4作「ロッキー4/炎の友情」は、かつてのライバルでその後友人となったアポロを死に至らしめたソ連のイヴァン・ドラゴ(ドルフ・ランドグレン)をロッキー(シルヴェスター・スタローン)が倒すというお話だった(と記憶する)。

本作はその後日談でもあり(「クリード2」ではなく、このようなサブタイトルを付ける形にしたのはかの邦題を意識した結果であるのは疑いようがない)、イヴァンの息子ヴィクトル(フロルアン・ムンテアヌ)が、前作「クリード チャンプを継ぐ男」でヘビー級チャンピオンになったアポロの息子アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)に挑戦を宣言する。
 アドニスはアポロとドラゴの関係に訳ありのロッキーがトレーナー/セコンドになるのを断った為、対策が不十分でこてんぱんに打たれて重傷を負う。相手が重大な反則を犯して失格した為にベルトを保持するが、勿論それで満足するわけもない。
 その間に妻となったビアンカ(テッサ・トンプスン)が出産、複雑な思いを抱きながら、相手の母国ロシアで行われる再戦に応ずることにし、自分の為に闘うと言う彼の為に今度はロッキーもセコンドにつく。

スタローンが脚本に加わっていることもあって、人情の捉え方・描き方が巧みな「ロッキー」時代からの伝統を見事に継承しつつ、人間劇としてなかなかきちんと作っているという印象。

最初アドニスは父親の復讐の為に、ヴィクトルは父親がロッキー戦の敗北により被った様々な屈辱を雪ぐ為にのみ互いに闘うのだが、父親となった故の意識なのかアドニスはもっと無心に即ち自分の為に(或いは自分と)闘うという変化を見せ、再戦に及びヴィクトル以上に父親のイヴァンが人間味を帯びて来る。後者の扱いは現在の映画界の立場の反映なのかもしれないが、後味が良くなった所以。
 よって、アドニスとヴィクトルを比較するのは的外れで、ヴィクトル側の取り巻き連中の打算的態度に照らして、スポーツ選手の純粋な精神にエールを送る内容と理解するのが良いと思う。ドラゴ親子のトレーニング模様と、ロッキーが不仲だった息子を訪れる幕切れのカットバックも素敵だ。

これだけ関連作品が作られると似たような場面が少なからず出て来るので、採点は前作より少し下げたが、決して悪い出来ではない。

ロングショットの扱いなど見せ方(演出)もジョン・G・アヴィルドセンを踏襲したスタローンをさらに踏襲している。このスピンオフ・シリーズの監督たちはアヴィルドセンを継ぐ男といったところじゃね。この間にソ連はロシアになったが、プーチンはソ連の悪いところを継いでいる。

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