映画評「3人の信長」

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年日本映画 監督・渡辺啓
ネタバレあり

近年の織田信長人気は異常なものがあり、映画作品も多い。が、感心するほど面白いものは皆無。

桶狭間の戦い(1560年)から10年後の金ヶ崎の戦いで、浅井・朝倉軍に囲まれた信長を、亡き主君今川義元へその首を届けようと狙っていた今川残党が捕える。ところが、捕えた信長は三人(TAKAHIRO、 石原隼人、岡田義徳)。残党を束ねる大将の蒲原氏徳(高嶋政宏)は、全員を殺すことも考えるがそれでは仇を討ったことにはなるまいと思い、正体を掴むべく尽力せざるを得なくなる。

そこで生まれる珍騒動を描く内容で、コミカルの場面が多いが、韓国映画とは少し違う意味において、シリアス部分との間でうまく融合していないように感じ、3人の信長を巡って大弱りという発想を生かし切れていない憾みがある。

3人が全員本人でないということは、牢屋の中での互いの口の利き方から想像できる。勿論作戦の一部であると考えられるところがある一方、他に誰もいない場所では作戦もへちまもないわけで、このアイデアの限界を露呈してしまう。従って、3人だけでいる場面を最小限にすべきだっただろうが、それはそれで可笑し味を犠牲にするというジレンマを生ずる。やはり小手先のアイデアはダメということになる。猫アレルギーの扱いもつまらない。

コメディーだから許されて良いと思うが、影武者が互いに全く似ていないというのは疑問。ただ、新機軸として、当時大名と雖も他国には顔は殆ど知られていなかっただろうという発想があり、これは多分その通りであろう。今後はこの発想で影武者を出す作品が出て来るかもしれない。

児戯に類する作品だが、役者の演技が面白い分だけ、児戯そのものだった昨日の「うちの執事が言うことには」よりマシ。今月鑑賞作品のIMDbの平均得点ワースト5を邦画が占める。実力通りに評価されていないものもあるものの、情ない。

うちの家臣が言うことには、でした。

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