映画評「ペガサス/飛馳人生」

☆☆(4点/10点満点中)
2019年中国映画 監督ハン・ハン
ネタバレあり

中国製のラリー映画というのが珍しいので、観てみた。最近色々な国のレース映画が見られるが、アメリカ映画以外は認めるに値するものは殆どないので、怖いもの見たさということですじゃ。

「ワイルド・スピード」を地で行く交通法規違反をして5年間出場機会を失った5年連続チャンピオンのラリー・レーサー、シェン・トンが、5年経って復帰しようと、免許再取得から始まり、マシン探し、資金探しに悪戦苦闘した挙句にやっとマシンを完成させるのが上映終了まで30分を切ったところ。
 要はレースより彼の復活までの道のりを見せようとした人情コメディーの趣きで、なーんだってなもんだ。

しかも、いざ本番というところで、ナビゲーターのイン・ジョンがマシンを移送中に事故を起こしマシンも運転手も大破損、一貫の終りと思ったところへ、現在5年連続勝利中の若手レーサーで資産家の息子ホアン・ジンユーが手を貸して、奇跡の復活劇という調子の良さに苦笑が洩れる。
 1980年代の出来の悪い香港人情劇の乗りだが、まあ日本のTVドラマもこんなレベルじゃろ。

ナビゲーターもなしに奮闘するシェンが遂に先にゴールしたホアンの記録を僅かに破ってゴールするが・・・。
 という幕切れも勿体ぶって良くないねえ。5年前に捨てられていた子供を息子として育てて来た主人公が息子の為に復帰に奮闘するというのは、ボクサー人情劇「チャンプ」(1931年/1979年)に似た展開で、色々学習していることが伺える為、余り映画を観ていない人にはそこそこ行けるかもしれない。こういうのをパクリと非難するのは品がない。

香港映画系列の泥臭いお笑いが僕にはとんと笑えぬのがまず問題。ラリー/レース映画としては、車の走行をきちんと捉えなければいけないのに、カットが細切れすぎて走行そのものの醍醐味が殆ど伝わって来ない。これは何とかして欲しかったねえ。画面を割ったり工夫を認めたいところもあるが、時々マシン内部をCGで見せるショットを挿入するのが余分で興覚める。かかる漫画を喜べるのはCG発生以降に生まれた青年までよ。

日活アクションには、同時代にオリジナルの作者が見たら著作権侵害で法廷に持ち込まれるレベルのもの多し。特に、日本製西部劇「早射ち野郎」は「胸に輝く星」とほぼ同じ話。日本なのにサルーンが出て来るわけだから、何の弁解もできない。

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