映画評「オーシャンと十一人の仲間」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1960年アメリカ映画 監督リュイス・マイルストン
ネタバレあり

39年後に「オーシャンズ11」としてリメイクされたリュイス・マイルストン監督の犯罪映画である。

しかし、本作は犯罪への準備と本番が少なく、前半は11人のメンバー紹介。これに凡そ50分費やしているので、フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デーヴィス・ジュニアの三人の歌手とピーター・ローフォードを合わせた4人を軸とした、当時からシナトラ一家と言われた面々の、文字通り同窓会的なじゃれ合いを楽しまないと甚だ退屈すること必定。かく言う僕は歌手としても役者としてもシナトラは余り好きではないし、この50分余りについて楽しめたとは言い難い。だから初めて観た時は☆三つ分の評価としたのだろう。

さて、“文字通り同窓会的な”と言ったのは、本作が空挺部隊の戦友がリユニオンして、ラスヴェガスのカジノ5ヶ所から同時に大金を盗むというお話だからである。これが始まると漸く面白くなってくるが、リメイクの派手さと比べると、停電を起こして自家発電が起きるまでの数分とその発電自体を活用して金庫室のドアを開かせるだけのシンプルな作戦にすぎない。蛍光塗料が少し活躍するのがユニークだが。

従って、ローフォードの母親の再婚相手になりそうな紳士シーザー・ロメロが将来の息子の犯罪に気付いて半分せしめようと絡んでき、一味がそうはさせじと病死した仲間の棺桶に札束を入れる作戦を決行する、その後の顛末のほうが楽しい。
 葬式に一味が加わるのは3年後の「シャレード」の序盤みたいな感じなのが面白く、カメオ出演のシャーリー・マクレーンの台詞が「ねえ、キスしてよ」であることに大受け。1964年のマーティン主演作にこの邦題があるのである。

結末について意見があるが、恐らく1968年まで続いたヘイズ・コード(キリスト教原理主義的な、日本より多岐に渡る厳しいアメリカ映倫)の影響で犯罪者が大々的に成功する話は作れなかったのであろう。だからアメリカン・ニューシネマ時代に入ると「ホット・ロック」(1971年)のように犯罪者が成功する話がぼつぼつと作られるようになる。

父親が買っていた芸能雑誌「平凡」に本作が紹介されているのを見たことがある。

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この記事へのコメント

モカ
2020年01月28日 17:50
こんにちは。

子供の頃テレビでよくシナトラ一家を見ていた記憶がありますが、この映画だったのか、テレビドラマだったのか覚えていません。 当時ディーン マーチンの everybody loves somebody🎶がラジオでよく流れていました。三人の中ではサミー デイヴィスがしゃくれ顔で1番インパクトがあってカッコよかったかな....
私もシナトラってイマイチというか、どっちでもいい感じなんですが、私達の大好きなジム モリソンがシナトラが好きだったんですよね。1967年のストレンジデイズの木崎義二のライナーに書いてありました。 割と最近まで、ジム モリソン独特のジョークだと解釈していましたが、どうもホントに好きだったみたいで、ちょっとビックリです。
シナトラのロンサムロードなんかは浅川マキが日本語でカバーしているくらいで中々良い感じですが、何となくラスベガスなイメージの人ですね。
オカピー
2020年01月28日 22:17
モカさん、こんにちは。

>ジム モリソンがシナトラが好きだったんですよね。
ひやーっ、そうですか。
僕の持っている日本版CDも、その時のライナーノーツが使われていて、そう書いてありました。曲を聴いてもそんな感じはしないけどねえ。

>シナトラ
>何となくラスベガスなイメージの人ですね。

本作の主要舞台もラスベガスですしねえ。