映画評「めんたいぴりり」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年日本映画 監督・江口カン
ネタバレあり

辛子明太子を開発者で“ふくや”を創業した川原俊夫の伝記ドラマ。Wikipediaによれば、まず2013年にTVドラマ化され、続編を経て舞台化、そして今回の映画化(TVドラマと同じ出演者なので映画版と言うべし)という遍歴を辿っている。食べ物に興味の薄い僕は知りませんでしたがね。

朝鮮半島からの引揚者である海野俊之(博多華丸)は朝鮮の食品を応用した辛子明太子を開発し初めて10年経つ今日(1957年頃だろう)も日夜研究に勤しむが、全く欲のない人物で、困っている人を助け廻っている為にいつもお金に追われている。気の強い妻の千代子(富田靖子)は夫の人の良さなどに呆れつつ核の部分で信用している。

というのが根本となる設定で、これに落ちぶれた人形製作者(でんでん)、明太子製法を形だけ盗もうとするが為に挫折する近所の若者(柄本時生)、叔父に引き取られたものの余りの貧乏で遠足に行くリュックサックや靴も買えない長男の同級生の少女のお話が横糸的に紹介される。

いずれも“人を幸福にする明太子”をキーワードとするエピソード群で、特に少女については主人公が“あしながおじさん”として活躍、ハイライトとして心優しい人を感動させる。こういう変な書き方をしたのは、余りにTV的な演出、カメラワークで、映画としてまるで面白味を感じなかったからである。映画であるならば、一貫した映像言語を駆使して総合的にお話を盛り立てる必要がある。
 もっと解りやすく言えば、全体的に狂騒的にすぎ、目をむくなど博多華丸はオーヴァーアクトにすぎる。まるで舞台を観ているようだ。世評はどの映画サイトでもかなり良いが、少なくとももっときちっとした絵でみせてくれなければ、僕は到底気に入らない。

また、ほぼ実際通りらしいのに、実名の代りにもじった名前を使っているのも気に入らない。このお話のどこに遠慮する必要があるだろうか?

日本人は他人を意識しすぎる。例えば、芸能人の過剰な謙譲語使用。家人によれば、ジャニーズ事務所が本格的に始めたのではないか、とのこと。とにかく、過ぎたるは及ばざるが如し。あそこで少し変なのはある程度の先輩までは「君」付けで呼ぶこと。普通の会社でそれをやったら怒られるよ。

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