映画評「シャイニング」(1980年版)

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1980年アメリカ=イギリス合作映画 監督スタンリー・キューブリック
ネタバレあり

スティーヴン・キングのホラー小説をスタンリー・キューブリックが映画化。ホラー映画は昔から良くてB級、通常はC級といった低予算の作品ばかりの中、A級映画だったので、映画館まで観に行ったです。それ以来38年ぶりの鑑賞。

教師を辞めて作家に専念することにしたジャック・ニコルスンが妻シェリー・デュヴォールと5歳くらいの息子ダニー・ロイドと共に、コロラドの山中にある豪華ホテルの冬季管理人として雇われる。一昔前に管理人が閉所恐怖症に陥って妻子を殺して自殺するという事件のあった曰く付きのホテルで、細君によりダニー君の首の怪我を負わせたと文句を言われたところからニコルスン先生が狂気に入って行き、いない筈の人物たちとの会話の末に、斧を持って妻子を追いかける。

既に当時としても昔ながらのオカルト・ハウスものの域を出ない陳腐な内容だが、口の中に住んでいるという人物と会話をし未来の予感を持つ息子の言動などに惑わされるうちに、ニコルスンの狂気が爆発する終盤に突入していき、肩に力を入れて観続けることになる。
 それは一つ、ドリーを駆使して迷宮のようなホテルの中を縦横無尽に進むカメラにより酩酊感を醸成し、それにより沈潜させていたサスペンスを後半に爆発させていること。一つ、オーヴァーアクトが気に入らないとは言え、ニコルスンという名優の狂気演技とシェリーの恐怖演技、この二つの賜物である。
 正にキューブリックという馬力のある監督によって初めて為せるわざで、ちょっとした実力派の監督でもなかなかこうは行かないであろうし、まして若手の監督ではつまらない映画に終わった筈。

☆☆☆★は甚だ多いという☆★ではないものの、★~☆☆くらいで終わっても不思議ではない安っぽいお話ということを考えれば、絶賛していると思って貰って良いです。

最後の昔の写真の意味するところは、何であろうか?

Allcinemaに小津安二郎を思い出した(比較する)人がいるが、僕ももっと具体的に「麦秋」における移動撮影による空ショットを思い出していた。

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この記事へのコメント

vivajiji
2019年12月31日 17:32
陳腐なメニューを異色絶品料理に仕立てるのが
お上手なキューブリック監督作品ですね。
ニコルソンとはソリが合わなかったと伺って
三等外野席鑑賞者は、さもありなんと妙に納得。(笑)

ほとんど足跡を残せず、今年も読ませていただくばかりで
お恥ずかしい限り。連日投稿の大教授には平伏&脱帽ざます。

2020年の夏には札幌でマラソンとか。
同じ札幌と言ってもウチとは真反対の地区を
お走りになるとかで、近間住民はどこ吹く風。

映画に無関係の話でお茶を濁してしまいましたが
来年もよろしくお願い申し上げます。よいお年を。
雪がなくアスファルトばかりの札幌より。
オカピー
2019年12月31日 22:49
vivajijiさん、こんにちは。

>ニコルソンとはソリが合わなかったと伺って
怒りが演技に爆発したのだとか?

>ほとんど足跡を残せず
毎月HPでコメントを残していただけるだけで十分です。

こちらは健康に留意してまだ書き続けるつもりです^^

>2020年の夏には札幌でマラソンとか。
8月でやるのは動かせないのだから、最初からこういう発想があっても良かったのではないかと思いましたよ。
しかし、真夏だけに札幌だから涼しいとは限りません。同じくらいの気温になったら笑えますね。今年の夏前一番最初に30度を超えたのは、確か北海道でした。

良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願い致します。