映画評「コントロール 洗脳殺人」

☆★(3点/10点満点中)
2018年カナダ映画 監督ロブ・W・キング
ネタバレあり

アメリカ・メジャー映画にB級(廉価)映画はもはや存在しない。その代わりにカナダが一見アメリカ映画っぽいお安い映画を大量に作る。そして、アメリカのメジャー映画に余りお呼びがかからなくなった大物がカナダ廉価映画に小遣い稼ぎで出演するという流れがある。
 ジョン・キューザックは既にその常連だが、クリスティナ・リッチよお前もかでござる。例によって、「未体験ゾーンの映画たち」で紹介された作品なので、本ブログでは本邦未公開扱い。

子供を失って以来情緒不安定になった主婦クリスティナが夫ブレンダン・フレッチャーと共に、療養に良いだろうということでIT満載で先進的な豪華アパート(日本で言うマンション)に越してくるが、療養に良いどころか、TVにサブリミナルな映像が映ったり、住民が飛び降り自殺を遂げたりする。
 しかし、そのサブリミナル映像を観ていない夫君は全く信じず、彼女はネットの悩み相談で知り合ったいかにも怪しい謎の男ジョン・キューザックの言うままに行動する。彼の言を信じるなら、どうも大きな陰謀が潜んでいるらしい。が、結局彼が言うのは「逃げろ」である。
 かくして彼女は遂に謎のグループに捕えられ固定されて映像を観続けることになり、そこへキューザックが救いの手を差し伸べる(が、どうもその直後に殺されたらしい)。逃げ出した彼女は自分が隣人の娘を殺す暗示をかけられていることに気付き、幼女を連れて逃げ出す。しかし、いつその狂気が彼女を実行に移させるかどうか彼女自身にも解らない・・・。

というサスペンスだが、サブリミナルはもはや新しい素材ではなく、それを別としてもサスペンスとして型通りのところが目立つ。一年前に観て素材を消化しきれなかった感を覚えた英国映画「サブリミナル・マインド」にすら及ばない。あるいは、ITハウスの恐怖をオカルト映画のように扱ったチェコ=スロヴァキア合作映画の「シャットダウン」(2018年)のほうが遥かに興味深い。

全く予想通りの結末の是非はともかく、それ以前に見せ方が下手すぎる。
 例えば、ヒロインが子供を失った経緯がうまく表現できない。急速のフラッシュバックでベッドに横たわる子供を見せながら、その後のショットにより流産のようにも見えてしまう。
 キューザックの死も直接描写はなくとももう少しきちんとそれを感じさせるべきで、幕切れでヒロインが墓参することで初めて解るという始末では困る。彼が死んだことを解らせた上で、墓参をさせれば少しは感動も生れるであろうに。

ローズマリーの赤ちゃん」(1968年)のIT版?

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