映画評「パスト&フューチャー 未来への警告」

☆☆(4点/10点満点中)
2018年スペイン映画 監督ダニエル・カルパルソロ
ネタバレあり

またまた日本劇場未公開のサスペンス映画である。WOWOWが新しい日本映画を大量にやるから未公開の洋画から連続してピックアップする羽目になった。ライブラリーの古い映画を選ぶという手もあるが、それらは長いものばかり残っているので、少し素材的に面白そうに思え、かつ、短尺93分の本作にしてみた。実際に素材自体は面白い。

時間軸は二つある。一つは2008年、もう一つは2018年。

2008年に24時間ショップ(コンビニ+ガソリンスタンド)に立ち寄った男性ダビッドが狙撃される。車で待っていた、その親友で統合失調症の数学者ジョン(ラウール・アレバロ)は、その32年前に同じ店で殺害事件があったことを知り、調べていくうちに、1913年を発端に55年(42年後)、76年(21年後)、2008年(32年後)にそのスパンに相当する年齢の4月12日生まれの人が亡くなっていることに気付く。そこには常に同じ年齢の組合せの4人(犯人を別にして)がい、その法則に則れば2018年4月12日に10歳になる少年が死ぬ。
 これに気付いたジョンはそれを起こさないように病院を中心に奔走するのだが、精神病を抱えている為に誰もまともに相手をしない。さあ、2018年に生きる少年ニコ(ウーゴ・アルブエス)の運命はどうなるか。

というお話で、呪いが数学的な規則性をもって起こるというオカルト性と、最後に鏡を通して時空を超えてジョンとニコが互いを認識するというSF性が合体するところに全体の面白味は見出される。

しかし、幕切れまでは予想できないにしても、1976年4月12日生まれのジョンの代りにダビッドが死ぬのは法則から外れるから結局ジョンが死ぬのは解るし、それを殺すのが犯罪者ではなく警官であるのも解る。何故なら店主が警察に連絡しているからである。こういう細かいことが予め一々解ってしまうと余り面白く思えるはずもない。

総論。本で読めば面白い物語だろうが、映像で観るには視覚的な魅力が乏しい。これが映画として弱い最大要因である。

見通しの良いことは映画にとって必ずしも悪いことではなく、寧ろプラス要素でさえあるが、どうなるかというサスペンスを眼目とする映画においてその詳細が尽く正確に読めるのはマイナスにしかならない。

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