映画評「パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1973年日本映画 監督・高畑勲
ネタバレあり

シリーズ第二弾。とりあえずお話から。

前作のまま、ミミ子ちゃん(声:杉山佳寿子)とパパンダ(声:熊倉一雄)とコパンダのパンちゃん(声:丸山裕子)の疑似家族状態は続いている。
 ある時サーカスからはぐれた子虎が家に紛れ込み、一員に加わるが、すぐに母虎が恋しくなってサーカス団に戻る。しかし、その夜大嵐になって森から町にかけて湖のような状態になる。
 翌朝、虎の言葉でSOSを受けた三人(?)はベッドを船にしてサーカス団の許に向う。パパンダの大活躍で動物を解放したは良いが、パンちゃんと子虎のおふざけの結果サーカス団の汽車が動き出し、車止めを打ち壊し、線路もなしに町にまで走り続ける。市庁舎に衝突しそうになる列車をまたまたパパンダが怪力を発揮して止める。

脚本を書いた宮崎駿の世界観がよく解る作品だ。とてつもなくシュールであることに前作以上に圧倒される作品で、その中にその世界観が感じられるのである。勿論、最近巷にあふれる世界観(作品世界の意味)とは違う、本来の意味である“世界に対する考え”のこと。

パパンダが動物を檻から解き放ち、それを誰も苦にしないところがそれで、つまり人間が一等上位の生き物であるという、キリスト教的な自然と人間との関係とは真逆である。他にも、常識に反して、台風で町中が水浸しになっても平気の平左、街を汽車が走っても騒ぎにならない。
 後年の長編を観ても解るように、宮崎駿は人間も自然の一部にすぎないという世界観を持っているわけで、人間を全ての基準にはせず、その考えが作劇によく表れている。子供向けだからこそできた素晴らしい非常識であり、“あっぱれ”と唸るしかない。

世の中には変な人間がいる。京都アニメーションのようなことにならないように、声優を使わないことに反発されることがあるスタジオジブリも気を付けないといけない。

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