映画評「ザ・スクエア 思いやりの聖域」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年スウェーデン=ドイツ=フランス=デンマーク合作映画 監督リューベン・オストルンド ネタバレあり 「フレンチアルプスで起きたこと」のリューベン・オストルンド監督の新作。前述作品は途中までの僕の理解が正しくなかったせいもあって高く評価できなかったのだが、本作は作者の狙いが早めに、恐らくはほ…
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映画評「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年イギリス=アイルランド合作映画 監督ヨルゴス・ランティモス ネタバレあり 「籠の中の乙女」「ロブスター」といった変だけどなかなか面白い作品を作るギリシャ人監督ヨルゴス・ランティモスの最新作。これも奇妙な内容であるが、スリラーと考えれば一番普通に近い作品と言って良い。とりあえずお話。 …
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映画評「ビューティフル・デイ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年イギリス=フランス=アメリカ合作映画 監督リン・ラムジー ネタバレあり 「レオン」系列の作品は近年になっても「ザ・ボディガード」などたまに作られるが、本作は典型と言っても良い。しかし、極めてスタイリッシュな作りで、ごく一部のマニアックな映画ファン向けである。僕は論理的な人間であるから、小…
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映画評「BPM ビート・パー・ミニット」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年フランス映画 監督ロバン・カンピヨ ネタバレあり エイズが完全に不治の病であった1990年代初めのお話。申し訳ないが、証文の出し遅れのような印象が強い上に、予想外にも苦手な同性愛の描写が多く、余り好意的な感想は書けない。 個人主義者なので、同性愛者ついては何とも思わないものの、その…
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映画評「ローサは密告された」

☆☆★(5点/10点満点中) 2016年フィリピン映画 監督ブリランテ・メンドーサ ネタバレあり ジャクリン・ホセがカンヌ映画祭の女優賞を獲ったフィリピン映画ということで観てみた。ついでに最高賞パルムドール候補としても出品されているが、僕の映画観では受賞どころか出品に値する作品と言えない。今月観た作品の平均にさえ達していないと…
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映画評「女は二度決断する」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年ドイツ=フランス=イタリア合作映画 監督ファティ・アキン ネタバレあり ファティ・アキンというトルコ系ドイツ人監督は、2007年の「そして、私たちは愛に帰る」が素晴らしかった。この作は共通する部分の多い内容であるが、前述作に比べると作劇的に繊細さを欠く。 純粋ドイツ人の美人ダイアン…
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映画評「ウインド・リバー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年アメリカ=カナダ=イギリス合作映画 監督テイラー・シェリダン ネタバレあり 雪に蔽われた土地でお話が展開する映画は、その寒そうな様子故に、厳粛な思いにかられ作品まで引き締まっているように感じる。近年僕が高く評価する映画は、温暖な地域や季節を舞台にした作品より寒冷地の作品のほうが多いので…
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映画評「未来のミライ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・細田守 ネタバレあり 未来の宮崎駿(?)こと細田守の最新アニメである。 アメリカのアニメ映画「ボス・ベイビー」の少年は弟が出来て、両親がそちらにばかり構うものだから面白くない。ここまでは本作の4歳の少年くんちゃん(声:上白石萌音)も全く同じ。  かの作品では弟が実…
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映画評「ロマン・ポランスキー 初めての告白」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2011年イギリス=イタリア=ドイツ合作映画 監督ローラン・ブーズロー ネタバレあり 近年は一年に一本くらい映画監督の生涯や作品に関するドキュメンタリーが見られるが、作品としてそうスバ抜けたものは少ない。名匠・巨匠ともなるとその監督の作品を観た方が楽しめるというものだ。  しかし、本作が扱うロマ…
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映画評「ポランスキーの欲望の館」

☆☆(4点/10点満点中) 1972年イタリア=フランス=西ドイツ合作映画 監督ロマン・ポランスキー ネタバレあり 「水の中のナイフ」(1962年)以降ロマン・ポランスキーの作品は大体日本でも劇場公開されているが、1972年イタリア資本で製作したこの作品はお蔵入りとなった。Wikipediaに“ビデオスルーされた”とあるのは民…
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映画評「タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑」

☆☆★(5点/10点満点中) 2009年アメリカ映画 監督フランチェスカ・グレゴリーニ、タチアナ・フォン・フュルステンバーグ ネタバレあり Allcinemaでは(未)は付いていないが、本邦では映画祭で公開されただけなので、例によって当ブログでは本邦劇場未公開扱いとする。ご贔屓にしているルーニー・マーラが主演なので観てみた。 …
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映画評「エンド・オブ・キングダム」

☆☆★(5点/10点満点中) 2016年アメリカ=イギリス=ブルガリア合作映画 監督ババク・ナジャフィ ネタバレあり 本作で主役を演じているGerard Butlerを日本では何故かジェラルド・バトラーと表記する。ラテン系やドイツ系でなく英国系民族であれば ar は通常アーと表記するのが少なくとも戦後の習慣だが、思うに、Ger…
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映画評「ローズの秘密の頁」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年アイルランド映画 監督ジム・シェリダン ネタバレあり アイルランドの作家セバスチャン・バリーのベストセラーをジム・シェリダンが映画化した作品で、ベストセラーになった理由が解る、恋愛以外の意味で“ロマンティックな”物語である。 キリスト教系の古い精神病院が取り壊されることになり、第二…
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映画評「モリーズ・ゲーム」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年アメリカ=カナダ=中国合作映画 監督アーロン・ソーキン ネタバレあり 実話ものでもこういうサスペンス系列なら歓迎できる。実話ものに実績のある脚本家アーロン・ソーキンが自らの脚本を映像に移してなかなか面白い。 モーグルのアメリカ代表候補でありながら僅かな小枝の為に転倒して選手生命を…
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映画評「不能犯」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・白石晃士 ネタバレあり 同名のコミック(物語:宮月新、画:神崎裕也)を映画化。映画サイトにはサスペンスとあるが、一種のホラーと言って良い。 電話ボックスに殺人の依頼を書いたメモを貼り付けると、それを実行してくれる男がいる。自称・宇相吹正(松坂桃李)である。しかし、依…
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映画評「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・李闘士男 ネタバレあり ハンドルネームK.Kajunskyなる人物が【Yahoo!知恵袋】に投稿した質問が発展して映画にまでなった。「電車男」より珍なる経緯と言うべし。 40歳くらいのサラリーマン安田顕が帰宅すると、一回り年下くらいの妻・榮倉奈々が口から血を出して倒…
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映画評「DISTANCE/ディスタンス」

☆☆★(5点/10点満点中) 2001年日本映画 監督・是枝裕和 ネタバレあり 是枝裕和の一つのスタンスとして実際にあった出来事をヒントに物語を作るというのがあるが、その嚆矢となったのが第3作に当たる本作らしい。作家として著しい進境を遂げたと思う「誰も知らない」(2004年)で、近作「万引き家族」と続く。とりあえず、お話。 …
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映画評「戦艦ポチョムキン」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1925年アメリカ映画 監督セルゲイ・M・エイゼンシュテイン ネタバレあり セルゲイ・M・エイゼンシュテインがモンタージュ理論を確立した作品として余りにも有名だから、映画ファンなら一度は観ておかねばならない。僕自身は、1980年池袋文芸坐で観たのが最初で、今回は今世紀初めにNHK-BS2が放…
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映画評「友罪」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・瀬々敬久 ネタバレあり 瀬々敬久は、余りにデタラメすぎる珍作「感染列島」(2008年)を作ると思えば4時間を超える純文学の力作「ヘヴンズ ストーリー」(2010年)を作るといったように、なかなか掴み切れない監督であるが、大袈裟な傾向に走りがちなのは共通した特徴であろう。 …
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映画評「万引き家族」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・是枝裕和 ネタバレあり 是枝裕和監督は山田洋次を別格として、現在僕が最も信頼する監督になった。彼は大半の作品においてセミ・ドキュメンタリー調で家族を描いてきたが、本作は初めて是枝監督に瞠目した「誰も知らない」(2004年)に近い感触がある。 東京の下町。日雇い労働…
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映画評「探偵はBARにいる3」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年日本映画 監督・吉田照幸 ネタバレあり 東直己のハードボイルド小説の映画化シリーズ第3弾。日本人はそもそもハードボイルド小説を碌に読まないだろうし、ハードボイルド映画の愛好家も限られているから、僕のようにハードボイルドとして見るのは少数で、コミカルで人情的なミステリーとして見る方が大半で…
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映画評「空飛ぶタイヤ」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・本木克英 ネタバレあり 連休の初めに愚兄がタイヤ交換をしていたのを見て三菱自動車の脱輪事故に話が及んだ。何とそれから何日もしないうちに三菱自動車のリコール隠し事件をモデルにした経済サスペンス映画を観ることになるとは。原作は池井戸潤。話題になったTVドラマ「半沢直樹」は観…
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映画評「インクレディブル・ファミリー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ブラッド・バード ネタバレあり 昨日の「デスノート」は10年ぶりだったが、こちらは14年ぶりの続編。キャラクター描写のバランスが取れかつ多様性があり、主題展開において夾雑物がないため純度が高く大いに買った第一作に比べても殆ど遜色がない。ブラッド・バードという人は“良い…
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映画評「デスノート Light up the NEW world」

☆☆★(5点/10点満点中) 2016年日本映画 監督・佐藤信介 ネタバレあり シリーズ第二作から10年ぶりの第三作、スピンオフを含めても8年ぶりの第四作だが、流れの速い時代にあって、出し遅れた証文のような感じで余り感興が湧かない。脚本のレベルが特に第二作より落ち、監督の佐藤信介の力量も馬力のある金子修介には及ばないところも目…
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映画評「オーシャンズ8」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ゲイリー・ロス ネタバレあり 「オーシャンズ11」シリーズは10年ほど前に終わったが、女性版として復活した。 ヒロインはオーシャンの妹という設定のサンドラ・ブロック(役名デビー)。組んだ画商リチャード・アーミテージにはめられて詐欺罪で臭い飯を食うことになった彼女が…
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映画評「フューチャーワールド」

☆(2点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ジェームズ・フランコ、ブルース・ティエリー・チャン ネタバレあり そもそも僕は「マッドマックス」以前から、荒廃した未来世界を描く、SFとも言えないような作品群を評価して来ず、それが「マッドマックス」の成功によって益々増えた。「マッドマックス」が受けるのは理解でき、個人的にも…
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映画評「太陽の王子 ホルスの大冒険」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1968年日本映画 監督・高畑勲 ネタバレあり 宮崎駿や高畑勲が関わっている作品として題名は良く知っているが、若い頃は避けてきたアニメだけに実際に観るのは初めて。 病弱な父親と人里離れた場所で暮らす少年ホルス(声:大方斐紗子)が巨大な岩男の体から刺さった剣を抜き、岩男から“その剣を鍛え使い…
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映画評「ゴッホ 最期の手紙」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年イギリス=ポーランド=アメリカ=スイス=オランダ合作映画 監督ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン ネタバレあり 日本ではヴィンセント・ヴァン・ゴッホと表記することが多いが、本来の発音はフィンセント・ファン・ゴッホ。 そのゴッホの伝記的アニメであるが、作り方が少々変わっている。…
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映画評「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ロン・ハワード ネタバレあり アメ・コミの映画化が多すぎて“有難味”がなく出来栄えほど楽しめない、ともう何年も述べてきたが、先日新しい表現を発明した。一ジャンルのデフレ状態、これなり。そういう意味では「スター・ウォーズ」もその状態になりつつある。元来格別の「スター・ウォ…
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映画評「アンセイン~狂気の真実~」

☆☆(4点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督スティーヴン・ソダーバーグ ネタバレあり 一向に観る気を起こさない安っぽい邦題なので不安を覚えつつ、それほど信用は出来ないが一応名前の知られたスティーヴン・ソダーバーグが監督をしているので観てみたら、案の定未公開でした。 ご存知のように、saneの否定形はinsan…
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映画評「アポロンの地獄」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1967年イタリア映画 監督ピエル・パオロ・パゾリーニ ネタバレあり 現存する古代ギリシャ喜劇・悲劇は殆ど読んでいる。本作はソフォクレスの悲劇「オイディプス王」をピエル・パオロ・パゾリーニが映画化した野心作。前半は神話・伝説からの内容に則り、後半の4割はほぼ原作通りの内容である。 僕は3…
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