映画評「50回目のファーストキス」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年日本映画 監督・福田雄一
ネタバレあり

21世紀になり俄かに記憶障害者を扱った作品が増え、そのロマンティック・コメディー版の嚆矢となったのが2004年製作の「50回目のファースト・キス」である。

本作は日本での正式なリメイクで、舞台も同じくハワイ。
 主人公アダム・サンドラーの役が山田孝之で、天体観測を本職とする日本人向け観光ガイド(オリジナルでは獣医)。片や、女主人公ドリュー・バリモアの役は長澤まさみで、職業は同じく美術教師である。
 プレイボーイとしても名高い彼が喫茶店でお菓子で懸命に家を作っている彼女に一目惚れ、なかなか良い感じで別れるが、翌日再会すると今度は変態扱いされる。当惑する彼に事情を知る喫茶店の女性が彼女は短期記憶障害を患っているのだと告げる。
 翌日から彼は、父親・佐藤二朗の妨害も掻い潜って、涙ぐましい努力をし、毎日事実を知らせるという、それまで家族が取って来た方策とは180度違う方策を取る。彼女もこれに感化されて日記を付けるようになるのだが、やがて彼の天体観測者としての目標を知ったことで、デジタル写真を削除し日記を燃やしてしまう。
 かくして彼はハワイを離れ、名のある天文学者を目指す人生航路に向かって旅立つ。

これではロマンティック・コメディーにならないので、その後にしかるべき展開が待っているのは言うまでもない。前作にかなり忠実な作り方をされているので、ある程度記憶の残っている方には余り面白くないだろうが、僕がそれ以上に気に入らないのは、佐藤二朗やムロツヨシといった福田雄一組の個性的俳優による些か暑苦しいギャグを多用したことである。コメディー(喜劇)とファース(笑劇)が違うことを知る人には、ファースである彼らの笑いはロマ・コメたる本作の本論に対して油のように浮いていると感じる筈である。

“・”の有無でオリジナルとの区別をつけましたってか。

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