映画評「エマニエル夫人」

☆☆(4点/10点満点中)
1974年フランス映画 監督ジュスト・ジャカン
ネタバレあり

僕が十代半ばの時に世代を超えて話題になったソフト・ポルノ。ソフト・ポルノでも“成人映画”(現在のXレイト)だったのであの時代でもさすがに僕ら少年は観られなかった。クラスメートがフランス語の主題歌を適当に聞き取って“こんな風に歌うんだよ”と披露していたのを思い出す。家にパンフレットがあるが、僕は年齢故映画館では観ていないので、助平度が僕よりずっと高い兄が観たのだろう。僕が初めて観たのは、40年近く前TVの吹き替え版で、オリジナル原語で観るのは今回が初めて。主演のシルヴィア・クリステルの声がなかなか可愛らしいことを知った。

外交官の夫ジャン(ダニエル・サーキイ)に赴任先のバンコクに呼ばれた若妻エマニエル(シルヴィア・クリステル)が、うぶと思われつつも性への好奇心は旺盛で、先輩女性たちの良からぬ(笑)影響を受け、女性考古学者ビー(マリカ・グリーン)とレズビアン行為に耽ったり、性求道者(?)の老人マリオ(アラン・キュニー)に導かれるままムエタイの選手と事に及んだりする。

まあ若妻への通常の意味とは違う性教育を描く内容で、色々哲学的なことをまぶして高級めかしているが、お話自体は誠につまらない。但し、大御所キュニーの出ている場面だけアンチ・ロマンの香りがすると言ったら褒め過ぎか。

これで映画監督デビューしたジュスト・ジャカンがファッション写真家の前身を生かして映像はなかなかファッショナブルで悪くないものの、筋運びは相当にたどたどしい(まあ本質的に脚本家の問題であるが)。主演のシルヴィア・クリステルがもう少し僕の好みであればもう少し楽しめたかもしれぬ。

音楽が一部がプログレッシブ・ロック的で、キング・クリムゾンの「太陽と戦慄part2」に酷似している。クリムゾンそのものかと思っていたがそうではなく、作曲したロバート・フリップが盗作として訴えたらしい(この部分、書き直し)。

旦那さん訊ねて曰く、「いつ煮える?」と。夫人答えて曰く、「今煮える」と。

この記事へのコメント

2019年04月02日 00:25
こんばんは!

>太陽と戦慄
有名ですね。ぼくはクリムゾンも大好きだったので、はじめて『エマニエル夫人』を見た時は頭の中のエロ度が一気に萎え、眉間にしわが寄るプログレ脳に切り替わってしまいましたよwww

お話は眠くなってしまい、特に印象に残っていませんwww

ではまた!
オカピー
2019年04月02日 22:06
用心棒さん、こんにちは。

>太陽と戦慄
僕は当時は感じなかったようです。僕がクリムゾンをよく聞くようになったのは80年代前半くらいからかもしれません。
 メロディーの似た曲は無数にありますが、メロディーだけでなくアレンジも殆ど同じですので、ロバート・フリップが怒るのも当たり前だと思いましたね。

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