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zoom RSS 映画評「人生はシネマティック!」

<<   作成日時 : 2019/02/11 08:08   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2016年イギリス=スウェーデン合作映画 監督ロネ・シェルフィグ
ネタバレあり

やや、これは拾い物ですな。

第二次大戦初期のロンドン。情報省が戦意高揚映画を作るようスタジオに指示する。画家ジャック・ヒューストンを(内縁の)夫に持つコピーライター秘書ジェマ・アータートンがスタジオに仕事を求めると、彼女の作ったキャッチコピーが気に入られて脚本輔佐に大抜擢される。主筆はサム・クラフリンだが、ダンケルクでの民間人の活躍を取材したことから彼女は次第に重要度を増していく。その映画は戦時中に作られた「ミニヴァー夫人」と近作「ダンケルク」を併せたような内容と思えば当たらずと雖も遠からずの内容
 ドイツの空襲がやまず、出征や死傷のためスタッフもキャストも足りない中、ジェマは気難しい老優ビル・ナイをうまくコントロールし、映画作りに欠かせない人物となる。しかし、彼女が撮影に傾倒するため夫はモデルとの浮気に走り、彼女がその現場を目撃した為、仕事に打ち込むうち既に慕情を高め合っていた彼女とクラフリンは行くべきところまで進むことになる。

映画製作を扱う映画には面白いものが多いが、本作もその中に加えられると思う。戦時中の限られた人材・資材、或いは政治的思惑の中で色々と奮闘する模様を描いて頗る興味深いのである。
 後半は、ロマンスに傾いていくのだが、それを劇中映画の中味とダブらせる趣向で、甘っとろいと言えば甘っとろいものの、こういう抑制された甘さというものはマニアすぎない映画ファンの琴線を打つものがある。大衆映画は甘すぎず、厳しすぎないこれくらいが丁度良い。

しかるに、ここに一つの問題がある。原作者リサ・エヴァンズと監督(そして恐らく脚本家も)が女性なので、僕の余り好かないフェミニズム映画になっている憾みが否めないことである。
 敢えて殺さなくても良いクラフリンが死ぬ理由はここにある。愛するようになった彼が死んだ後“女一人大地を行く”(スメドレー)とばかりに頑張るヒロインを見せようという次第。ジェマ・アータートンの好演により、フェミニズム映画の厭らしさが殆ど感じられないので減点しないが、いかにも現在的ではあります。

他の作品次第ながら、本年度の“一年遅れのベスト10”に入るかもしれませんよ。

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人生はシネマティック!
1940年、第二次世界大戦中のイギリス・ロンドン。 働き盛りの男たちが次々と徴兵され、敵国ドイツ軍の空爆が続く街には、女性や子供、老人ばかりが残されていた。 徴兵されたライターの代わりに広告コピーを書いた秘書の女性カトリンは、情報省映画局の特別顧問バックリーの目に留まり、新作映画の脚本を書かないかとスカウトされる…。 ロマンティック・コメディ。 ...続きを見る
象のロケット
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『人生はシネマティック!』('17初鑑賞126・劇場)
☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10) 11月16日(木) シネ・リーブル神戸 アネックス(旧:朝日ホール)にて、14:50の回を鑑賞。字幕版。 ...続きを見る
みはいる・BのB
2019/02/13 13:40

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
プロフェッサーほどではありませんが
良い映画でございました。
ま、どなたにもすすめられる作品は
なかなかありそでなさそで黄色いサクランボ♪
人殺しや難病ばかりでなく、こういう題材なら
邦画陣でもリメイクできそうじゃないですか。
vivajiji
URL
2019/02/11 13:24
vivajijiさん、こんにちは。

僕の勘では、最終的にベスト10からは洩れると思いますが、しかし、比較的万人向けの感じの良い作品で、映画撮影を扱って相当面白く、“こりゃ、儲かった”的な手ごたえを感じました。

>邦画陣でもリメイク
そうですね。
実際鑑賞しながら映画撮影を扱った邦画を幾つか思い起こしていました。「キネマの天地」を作った山田洋次監督辺りに通ずるかと思いましたね。
オカピー
2019/02/11 20:56

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