映画評「マンハント」(2017年)

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年中国=香港合作映画 監督ジョン・ウー
ネタバレあり

何と高倉健主演の無国籍アクション大作「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年)の中国版リメイクである。と言っても舞台は日本で、日本人配役も珍しいほど豪華。日本側が資本提供していないのが不思議なくらいだ。

大阪。国村隼が社長を務める大手製薬会社の顧問弁護士チャン・ハンユーが退任した直後、彼の自宅で帰りを待っていた社長秘書が射殺体で発見され、逮捕される。大阪府警捜査一課の係長トクナガクニハルは警官を殺して彼を罠に嵌めようとするが、結局チャンは逃亡する。
 一課の刑事・福山雅治は、新人の部下・桜庭ななみを引き連れて、捜査を進めるが、犯行の証拠が揃い過ぎているのを却って不審に思い、手錠で繋いだ彼と一緒に行動するうちに確信に変わる。

法曹界の人物が殺人容疑者の汚名を着せられて逃走するところが同様であるにすぎない「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイクというより、中国で人気のある高倉健にオマージュを捧げた作品と言った方が近いのではないか?
 序盤料理店にヤクザが入り店を脅すのは「網走番外地 望郷篇」に似ているし、手錠で呉越同舟する羽目になるのは「網走番外地」からの拝借であるのは言わずもがな。

健さんに敬意を払うのは結構だが、監督も兼任するジョン・ウーの書いた脚本が全く低調で、お話の見通しが全く良くない。序盤に出て来る女性二人は結局製薬会社の刺客と判明するが、製薬会社で重要な発明をした婚約者をチャンの為に自殺に追い込まれた日本人女性チー・ウェイが絡んだり、福山刑事が彼についての疑問を解明しようと必死になったり、只管逃げ回るオリジナルに比べて、焦点が一向に定まらず、すわりの悪い作品になっている。どうも作者は、オリジナルの逃走サスペンスではなく、悪徳製薬会社を複数の人々が協力して倒す、という話をこしらえたかったらしい。

題名の後に括弧を付けなければならない作品が多いね。配給会社の創意工夫のなさを感じる。

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