プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「ジオストーム」

<<   作成日時 : 2018/11/09 08:19   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 4 / コメント 2

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年アメリカ映画 監督ディーン・デヴリン
ネタバレあり

涙が出て来た。泣いたのではない。余りにトランプ批判が露骨で、笑い過ぎて涙が出て来たのである。その説明の前に一応お話を書いてみる。

近未来(ほぼ現在)。異常気象を収めるために米中が中心になってダッチボーイなる天候制御システムを開発するが、その中心人物ジェラード・バトラーはアメリカの聴聞会であらぬ嫌疑をかけられた末に事務次官の弟ジム・スタージェスに首にされる。ところが、ある時気象制御衛星“ダッチボーイ”が暴走をし、アフガニスタンを冷却化したり、香港を高熱化させた為、確執の関係となった弟によりバトラーが再び招聘される。
 “ダッチボーイ”に乗り込んだ彼はやがてそれがアメリカ政府要職者がダッチボーイを独占する為の計略であることを掴む。衛星の暴走は地球の大半を壊滅状態に追い込むのでバトラーは衛星側からその阻止を図り、同時にそれを完遂させる為に欠かせない大統領だけが持つ情報を確保する為スタージェス君が凄腕SPの恋人アビー・コーニッシュと共に地上で奮闘する。

というお話で、昨年6月にトランプ大統領が温暖化防止の為のパリ協定を脱退したが、この映画の企画自体はトランプ大統領就任以前に起こされたらしいから偶然。しかし、タイミングが良すぎて笑える。それを受けて脚本がトランプ風刺に向けて一部書き替えられたのは確かであろう。

野望を持つのは民主党の大統領アンディ・ガルシアにあらで、国務長官エド・ハリスと判明する。まさかリベラルの映画が民主党の大統領を悪者にするわけには行かぬというわけ。ダッチボーイを独占しアメリカの大統領どころか世界に君臨したいハリス氏は“銀行になったアメリカを1945年の状態に戻す”と放言する。そして、八面六臂の活躍をしたバトラーとドイツの女性リーダー(メルケル首相ですな)アレクサンドラ・マリア・ララを救出するのは、メキシコの科学者であるという具合。

僕が涙を流したのはメキシコの科学者が救出にやって来て「メキシコに感謝しろ」と言う(トランプに向けたかのような)この場面。可笑しくてたまらないではないか。トランプが中国と袂を分かつのは今年だから、米中が科学の粋を集めて“ダッチボーイ”を開発するというのは皮肉ではなく、現在この二か国が科学をリードする現実に立脚したものと考えられる。AIでは彼らより6周遅れと言われる日本は、残念ながらお呼びではないのだ。

いずれにしても、監督・共同脚本のディーン・デヴリンは、“アメリカ・ファースト”ではなく、アメリカは協調主義で世界をリードするのだ、と言わば宣言しているわけでござる。この部分はいい気なものだという気もするが、トランプ風刺の部分は愉快。ディザスター映画として相当に大味で、大して面白くないのが玉に瑕(きず)でござる。

トランプ氏は再選を目指している。識者の大多数は、米中貿易戦争をこのまま続けると、巡り巡ってアメリカの経済にも打撃を与え、結果的にトランプが再選されない可能性が高い、と言う。さあ、本当に経済のジオストームがやって来るか?

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(4件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ジオストーム
度重なる自然災害に悩まされ続けた地球では、全世界の天候を制御する気象コントロール衛星が開発され、世界の天候は完璧に管理されていた。 ところが、ある日、衛星が暴走を始める。 リオ・デジャネイロが寒波に、香港が地割れに、ドバイが洪水にと、巨大災害が次々と勃発。 科学技術者ジェイクは、仲間と共に地球の危機に立ち向かうことに…。 SFアクション。 ...続きを見る
象のロケット
2018/11/09 10:09
「ジオストーム」
アビー・コーニッシュさんが出ているんだっけ、と教えられて思い出して観てよかった。 ...続きを見る
或る日の出来事
2018/11/10 10:47
「ジオストーム」
これは面白かった!単純でオーソドックスなディザスタームービー。だけどこういう作品が、疲れた脳みそには心地良い。「王道」というのはなかなかいいもんだ。正直に言うとこういうディザスタームービーは、大体の展開や帰結はわかっていて、結構年を重ねている身としてはわざわざ観なくても…という気がしないでもないのだが、スルーせずに劇場で観た理由は…キャストなのである。主役ではなく「脇を固める」方なんだけどね。このキャストが、逆に結構年を重ねている身でいて良かったな、と思える人員構成。アンディ・ガルシア、エド・ハ... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2018/11/12 12:23
『ジオストーム』('18初鑑賞07・劇場)
☆☆☆☆− (10段階評価で 8) 1月19日(金) 109シネマズHAT神戸 シアター8にて 15:35の回を鑑賞。 2D:字幕版。 ...続きを見る
みはいる・BのB
2018/11/15 13:35

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 題名から「ディープ・インパクト」みたいなディザスター映画だと思って観ましたが、良い意味で期待を裏切られた形です。最後のほうは、「アルマゲドン」風で(笑)・・。

 >トランプ氏は再選を目指している

 トランプさんは、伝統的に共和党が強いテネシー州出身で僕の好きな歌手テイラー・スイフトに、女性差別を容認しているとして批判された下院候補者の応援のため3回も地元入りしましたが、そのときの対応が見事でした。

普段は、口角泡を飛ばして反論するのに、全米でもっとも 影響力あるといわれるテイラーへは「彼女への高感度は25パーセント下がったな・・」とのツィッターのみ・・。
当の批判された女性候補者も反論せずに、却って、保守王国の結束を強めて当選!
このへん、彼は実にうまいんですよね・・。

 差別発言を逆手にとって女性候補を大量に擁立、下院で勝利したとはいえ、上院の議席を減らす傾向のある中間選挙で逆に増やした彼の手腕は侮れず、滅茶苦茶なのは大統領になるまでの間だけ、と睨んだ僕の就任前の予想通りです(メキシコの壁建設はやりすぎで多分無理でしょう)・・

余談ですが、「ホーム・アローン2」で、カルキン少年にプラザホテルのフロントの場所を教える宿泊客の役で、若きトランプがカメオ出演しています」(笑)
浅野佑都
2018/11/09 13:15
浅野佑都さん、こんにちは。

>「アルマゲドン」風で
その通りですが、「アルマゲドン」より大味かなとも思いましたよ^^

>トランプ
先般見た「朝まで生テレビ」に出演された識者も、政策・対応など概ね上手くやっていると概ね高評価で、それでも経済の反動で大統領再選は危ないのではないかとこちらもほぼ一致していました。一部の報道番組のようにトランプ批判にはなっていなく、興味深かったです。
 今日これから放送される「朝生」もトランプを再び取り上げるようです。放送日をいつもの月末ではなく、今日やるということは(中間選挙の結果を踏まえての)トランプだろうと予想していましたが。

どちらにしても、日本というか安倍氏もこれから対応が大変だろうと思います。その扱い次第では、支持をしている経済界も離れかねませんし、正念場ですかね。とりあえず今日の「朝生」を見てみます。

>「ホーム・アローン2」
聞いたことがあるような気もします^^
オカピー
2018/11/09 21:10

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「ジオストーム」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる