映画評「マザー!」

☆☆(4点/10点満点中)
2017年アメリカ映画 監督ダーレン・アロノフスキー
ネタバレあり

ジェニファー・ローレンス主演であれば未公開でも観る。
 彼女が主演する作品は女性が孤軍奮闘する“ジェニファー・ローレンスもの”というジャンルを形成しているから、本作もタイトルからそんな感じかと思いきや、殆ど意味不明の展開に終始する。クレジットでダーレン・アロノフスキーの作品と知り、その意味で納得させられた。しかし、彼の作品の中でも一人合点が過ぎ、僕は余り高く評価しない。ちょいと説明らしきものに触れると一応幾つかの解釈が出来る。

監督が言うには、地球破壊がテーマ。つまり母なる大地の寓話ということである。その場合は家=ジェニファーと考える必要がある。確かに終盤、詩人ハビエル・バルデムが死んだ妻ジェニファーの肉体をほじくると透明な鉱石が出て来る。それまで家をさんざん破壊しつくす人々は環境破壊をする我々の寓意である。
 本作の中盤で蛙が出て来るが、蛙が出て来る欧米映画は聖書に関連すると思ってほぼ間違いない。そこで聖書に即して考えると、前半家に乗り込んで好き勝手なことをする両親とその二人息子のお話は、アダムとイブとカインとアベルの解りにくい投影である。これが人類創成期のお話であるとすれば、後半彼らに輪を加えてひどい行為をする人々はソドムとゴモラあたりに相当しよう。
 精神分析的に解釈すれば、AllcinemaでR氏が仰るように、前半一家が好き勝手なことをしたのに夫が“出て行って欲しい”という彼女の要求を無視するので、彼女の精神が崩壊し、幻想を見始めるというお話となる。暴徒や火事は彼女の心の中だけに起きているものである。

最後は夢落ち(或いは円環)といったところだが、上記の三つは別々に解釈されるものではなく、それぞれ補完し合うように観ることが出来る。但し、全く解説に触れずにここまで理解できる人はそうはいまいと思う。

アロノフ好き? アロノフ嫌い。

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