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zoom RSS 映画評「夜明け告げるルーのうた」

<<   作成日時 : 2018/09/19 09:18   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2017年日本映画 監督・湯浅政明
ネタバレあり

アニメ映画監督・湯浅政明はこれで3本目。オリジナル脚本は初めてとのこと。

両親が離婚して父の故郷その名も日無(ひなし)町で過ごすことになった中学3年生のカイ(声:下田翔大)が、ネットにアップロードした音楽が同級生の遊歩(声:寿美菜子)と国夫(声:斉藤壮馬)に気に入られバンドに加わるよう要請される。仕方なく人魚島で練習を開始、その帰りに絡まれた密漁の男たちから何者かが救い出してくれる。家で音楽を作っていると、ルーの名乗る子供の人魚(声:谷花音)が現われ、男たちに投げ捨てられた携帯電話を届け、やがて歌と踊りが大好きで、歌が流れると尻尾が足になることが判ってくる。
 彼らの音楽が村の祭に使われると、ルーの存在が知られ、遊歩の祖父肝いりの“人魚ランド”が再開されることになる。ところが、光が苦手なルーがフラッシュ等に驚いて騒動を起こし、それで町民の間に人魚怖しのうわさが広がり始め、遂にルーは捕えられる。彼女の父親が救出の為に暴れてさらに混乱が起き、人魚の災難に反応するお陰岩の祟りが発生、海水が上昇する。
 これを見てルーや父親、その仲間が人々を救出し、誤解は解けていく。しかし、その最中に光を遮ってくれるお陰岩が崩落した為、町民と人魚の一体化も束の間、人形は姿を消す。しかし、厭世的になっていたカイはこの経験により希望を持つようになる。

不思議なことに、原作ものでは暴走気味にまで怒涛の描写を見せる湯浅監督が、オリジナルでは意外に大人しい。踊りの部分に旧作と共通する狂騒的な感じがあるとは言え、彼にしては爆発的ではない。そういう意味では比較的一般に向いていると思われる。

内容的には「崖の上のポニョ」の影響があるが、「ポニョ」ほど壮大なテーマは打ち出していず、自己中心的な人間の嫌な面を打ち出しつつ、少年が明るい見通しを発見するという成長ドラマとして見ることが出来る。
 彼が雨ばかり降っている日無町に越してくるのは、彼の心の隠喩であり、従って彼の心に希望という光が射す時、光を嫌う人魚は消える運命ということになる。そういう意味で少年カイと人魚ルーの関係が実に巧く設計されている。希望をもたらすものが光を嫌うというのは何とも皮肉であると感嘆する。
 その他の人間についてはやや類型に落ちるが、町民の人魚に対する根拠のない思い込み等、ヘイト・スピーチの問題に代表されるネット時代の嫌な部分に思いを馳せざるを得ないところもある。

サイン・コサイン・タンジェントは中学生が習いますか? 詰め込み教育世代の僕らが数Iとして習ったのだから今ならなおさら高校生だろう。

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夜明け告げるルーのうた
寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)で、父と日傘職人の祖父と3人で暮らしている中学生の少年カイ。 ある日、クラスメイトの少年・国男と少女・遊歩から彼らのバンド「セイレーン」に入らないかと誘われたカイは、練習場所の人魚島で人魚の少女ルーと出会う。 ルーは楽しそうに歌い、無邪気に踊るのだった。 しかし、古来より日無町では、人魚は災いをもたらす存在として恐れられていた…。 ファンタジーアニメ。 ...続きを見る
象のロケット
2018/09/19 09:49

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