映画評「ジョン・ウィック:チャプター2」

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年アメリカ=香港合作映画 監督チャド・スタエルスキ
ネタバレあり

下手な理屈ではなく強烈で正確なアクション描写で魅了したアクション映画の第2弾だが、やはり二番煎じは美味しくない。

自分の思い出を破壊したロシアン・マフィアの坊ちゃんとその繰り出す敵を凄まじい能力で倒した元ロシアン・マフィアのキアヌー・リーヴズが、暗黒街から足を洗う時に交わした血の契約が足枷になって、イタリアン・マフィアのリッカルド・スカマルチョの依頼を断りきらず、その姉を殺す羽目になる。その結果彼女のボディガードから追われ、同時に姉を殺された弟の立場からスカマルチョが繰り出す刺客を相手に死闘を繰り返さなければならない。

我々堅気の人間にとって暗黒街のしがらみが理不尽で、特に殺しを命じたスカマルチョが被害者をも演ずるという辺り古典悲劇の味わいすらあるが、今回のリーヴズはエモーショナルな反応ではなく、身を護る為のアクションに終始するので、文字通りただのアクションの羅列に陥っている。同じアクションのオン・パレードでも小市民的な感情を伴う前作に比べ手応えが全く薄いのである。

スタントマン出身という監督チャド・スタエルスキは、引き気味にきちんと撮るというアクション映画の最低限の条件を満たし、いつか見たスタントマン出身なのにカットを細切れにしてアクションの妙技を碌に見せない馬鹿な監督とは違うところを見せているが、脚本が馬鹿らしい。
 即ち、マフィアなのに敵は銃器の類を一切使わずに達人のリーヴズに向い、そのリーヴズが強めの相手が出て来ると銃をぶっ放す、などというマフィアものの理屈に全く合わないことをやっているのでは興醒めするしかないのである。Allcinemaに同趣旨のコメントがあったが、当然の意見である。

第一作とは、結果的に★一つの差に過ぎないが、かなり大きな差があると言って良い。

「誕生日はもう来ない」ならで、「第三作はもう観ない」てな印象。

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この記事へのコメント

2018年08月05日 00:22
<第一作とは、結果的に★一つの差に過ぎないが、かなり大きな差があると言って良い。

ですね。

映画ファンなめてるだろ!(笑)


オカピー
2018年08月05日 18:55
nscreenさん、こんにちは。

>映画ファンなめてるだろ!(笑)

第一作も抜群の出来というわけではないけれども、メッセージに拘泥しない潔さとエモーションが相まってなかなか手に汗を握る面白い作品になっていました。しかし、今回はエモーションがなくなり映画ではなくてゲームみたいなものに化してしまった。
次を見るチャンスがあっても敬遠するかもしれません。

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