映画評「スキップ・トレース」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年中国=香港=アメリカ合作映画 監督レニー・ハーリン
ネタバレあり

アクション映画のファンは他人の意見など知ったことではないのか、このブログでもアクセス数が非常に少ない。ジャッキー・チェンの作品もアクセスを稼ぐには無力である。などということはどうでも良いが、この作品はなかなか面白い。IMDbの平均評価は低くても僕の考える良い映画の条件をある程度備えている。

香港警察のジャッキー・チェンが、時限爆弾を巻き付けられて死んだ相棒エリック・ツァンの遺志に則って、彼の娘ファン・ビンビンを庇護している。仇は実業家の仮面をかぶっている反社会的勢力のウィンストン・チャオだが、警察の上司は彼の過剰な捜査を批判する。
 チャオの経営するマカオのホテルで働いていたビンビンは米国の詐欺犯ジョニー・ノックスヴィルと絡んだことでチャオに疑いを掛けられているとジャッキーに泣きつく。そこで彼はロシアのマフィアに拉致されたノックスヴィルを奪還してマカオに連行しようとするが、相手はそうはさせじとあれやこれやの妨害工作を巡らす。彼にパスポートを焼かれたジャッキーは、かくして密入出国を敢行することになる。

何が良いのかと言えば、まずはシンプルな直線的構成であること。そこへ色々な可笑し味とアクションの要素を大量に盛り込みながら、それがバラバラではなく統一感が出ているのが良い。一つ一つの見せ場が長すぎないのも気に入っている。
 ロシア→モンゴル→中国→香港という過程で、エスニック的な観光気分が味わえてお得な感じがもある。但し、実際には同化政策を取っている中国の現実と違う印象を覚えるのが痛し痒し。まあこういう映画で他国の批判をするのは止めておきましょう。

犯罪映画としてはかなり難があり、重要なネタバレになるのを恐れずに言うと、特にツァンをめぐるどんでん返しが強引。彼がボスであるなら、その娘ビンビンに対してそれを知っている部下があのような態度を取ることはないはずで、どんでん返しを優先する余りに無理が出ているのである。

60を疾うに過ぎたジャッキー・チェンのアクションは誤魔化しが多くなって些か寂しいが、誤魔化し方がなかなか上手いこと自体は評価できる。監督は昔取った杵柄がなかなか発揮できないレニー・ハーリン。

「明日に向って撃て!」のずっこけパロディーもある。

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