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zoom RSS 映画評「君はひとりじゃない」

<<   作成日時 : 2018/07/20 07:49   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年ポーランド映画 監督マウゴシュカ・シュモフスカ
ネタバレあり

原題は「肉体」で、日本独自の邦題はジェリー&ザ・ピースメイカーズの歌唱で有名な"You'll Never Walk Alone"から付けられている。この曲はリチャード・ロジャーズ&オスカー・ハマースタイン2世というミュージカルの大家コンビが「回転木馬」の為に書いたナンバーである。1960年代の曲を色々と集めてきた僕にはお馴染みの曲だが、サッカー・ファンにも有名らしい。

現代のポーランド。母を失って摂食障害に陥った娘オルガ(ユスティナ・スワラ)を抱えてうろうろする検察官ヤヌシュ(ヤヌシュ・ガイオス)は娘を遂に病院に入院させることにするが、彼女の担当になったセラピストが霊と交流することができると思い込んでいるアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)なので、不安になって結局退院させるが、机の中に置いておいた白紙に妻と自分しか知らない事実が書かれているのを発見、慌ててアンナを呼んで三人で降霊術を行うが、結局霊は降りて来ずアンナは疲れて眠りこける。それを見た父と娘は思わず笑い出す。二人の顔に昇ってきた朝日が射す。

最後に日光が射すのは最近の作品では定石的な見せ方で、勿論登場人物の心境が明るくなったことの解りやすいメタファーである。本作で真に孤独なのはセラピストで、子供を失って以来息子の霊を見ると思い込み(或いは本当に見ているのかもしれないが、不明)大きな犬を相手にするしかなく、街で見かけた恋人同士の睦みごとをこっそり覗き続けたりする。かように本来は頗る陰性なお話を、可笑し味のあるエピソードを重ねることで、ユーモラスに見せている。

欧米特に欧州映画にアンチ・キリスト教の作品が目立つようになっているが、本作のようにオカルトを交え一見神妙な見せ方をして笑わせるのも、アンチ・キリスト教映画のヴァリエーションなのかもしれない。

欧州映画に興味ある方には一見に値するこの作品を作ったのは、ポーランドの女性監督マウゴシュカ・シュモフスカ。ロマン・ポランスキー、イエジー・カワレロウィッチ、アンジェイ・ワイダといった大御所からイメージされるポーランド映画とは大分違う。ノルウェーのベント・ハーメルのおとぼけ感を想像すると近いと思う。

この映画について「SF映画?」と述べている意見に驚いた。「オカルト?」なら解るが。

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