映画評「ジョイ」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督デーヴィッド・O・ラッセル
ネタバレあり

洋画は3作連続の実話もの。現在ドラマ系では圧倒的に実話ものが多いところにアメリカ映画界の問題がある。

それはともかく、ジェニファー・ローレンスが主演なので日本劇場公開作と決め込んで見たら未公開作であった。監督が名のあるデーヴィッド・O・ラッセルで、なかなか興味深く観られたから、まあ“後悔”はなし。

1989年、ジョイ・マンガーノ(ジェニファー・ローレンス)という二人の子を持つ女性が、彼女の才能を信じる祖母(ダイアン・ラッド)、TVに逃避して部屋にこもりきっている母(ヴァージニア・マドセン)、離婚した後も女性と縁が切れると家に戻って来る父親(ロバート・デニーロ)、離婚した後もやはり家にいる前夫(エドガー・ラミレス)を抱えて、家の切り盛りにあくせくする毎日。
 会社を営む父親が恋人募集をし、そこそこ金持ちの未亡人(イザベラ・ロッセリーニ)と親しくなる。家族を挙げての懇親の場で割れたワイン瓶を処理した時の経験から、少女時代の発明癖がもくもくと頭をもたげ、父親の工場と未亡人の資産を頼りに手を汚さずに水をしぼることのできるモップを開発、生産する。やがて前夫の手づるにより大手ショッピング・チャンネルQVCに商品を紹介するチャンスに与り、バイヤー(ブラッドリー・クーパー)に気に入られる。
 ところが、強欲な成形業者がこの成功を見て部品の値上げを強行、特許も奪われ、関係者全員が破産宣告に追い込まれる。ここで彼女は持ち前の忍耐力を発揮、特許関係が出鱈目であることを掴み、支払ったロイヤルティーを取り戻す。

ジョイはその後100もの特許を獲得すると共に、QVCのライバル会社HSNのバイヤーとして活躍している。という現在の姿が、ロイヤルティー奪還の確約を勝ち取った彼女が女ガンマンよろしく街を闊歩する1990年頃から見た“未来”として語られるのが、ラッセルらしい変化球ぶり。彼女の家族が変人ばかりなのは、全くの実話なのか、それともラッセルならではのユーモア・センスが発揮されたものか定かではないが、楽しめる。

こうした紹介を含む前半部分が長いという意見については、それがないとこの作品はTVで良く観られる再現ドラマに留まってしまう、という反論を出しておきましょう。

メーカーで市場開拓を主な仕事としていた為、全部署と関連していたので、成形業者や特許絡みの部分が個人的に興味深かった。町工場などを営んでいる人にはなかなか面白く観られるのではないだろうか。

ジェニファー・ローレンスは、いかにも彼女らしい頑張り屋のヒロインを好演。

なかなか喜び(ジョイ)のないジョイでした。

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