映画評「コンカッション」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督ピーター・ランデスマン
ネタバレあり

監督デビュー作「パークランド ケネディ暗殺、真実の四日間」が米国での評判に反して大いに気に入ったピーター・ランデスマンの第二作。再び実話を基にしていてこれまた上出来、僕との相性は非常に良い。

アメリカ。労働ビザで監察医をしているナイジェリア人のベネット・オマル(ウィル・スミス)は、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の花形選手だったマイク・ウェブスター(デーヴィッド・モース)の死体を検視したところ、事前に知らされていた記憶障害に関係する異常が見られない為不審に思いアメ・フトに関して徹底的に研究、遂に激しい脳への振動が繰り返されることで発症する病気であると突き止め、信頼を寄せる上司ウェクト博士(アルバート・ブルックス)と共に慢性外傷性脳症(CTE)と名付ける。
 が、莫大な利益とスポーツの将来に多大な影響を残すためにこれを認めることはできないNFL側は、FBIを使って脅迫までしてくる。
 しかし、3年後NFLの理事をしていた元スター選手が発症してこれが正しいことを認めた上で自殺したことで、NFL側も認めざるを得なくなる。

僕はアメ・フトについては殆ど門外漢で、選手のことはほぼ知らないに等しく、ウェブスターの事件も勿論知らなかった。しかし、スポーツに限定されず、或いはその種類に関わらず存在する巨悪という問題等、そうした門外漢にも普遍的な興味を喚起すると思われるので、お勧め度が高い。
 勿論そこにはスポーツを巡ってもかような巨悪が存在するのかという具体的な興味の占める割合が大きいわけだが、特段アメ・フトに精通している必要がなく、通常の政治的なものより仕組みが解りやすいくらい。

オマルという医師が移民ですらない外国人であることも現在においてはとりわけ意味を強めるし、同じくアフリカからやって来て結ばれた細君との関係もアクセントであると同時にお話を進める触媒としてうまく機能している(但し、この部分はフィクションではないかと思う)。

アメフトで思い出すこと。高2の時に受験を控えた中学3年生を家で教えた。そのうち一人は掛け算も割り算もできない。しかし、彼はヘルメットを見るだけでNFLのチームを全部当てることができた。この経験から僕は、興味があることは誰しも覚えることができると気づいた。勉強ができるかどうかはほぼその興味の差に過ぎない。

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  • コンカッション ★★★・5

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