映画評「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2016年アメリカ映画 監督ジョー・ルッソ、アンソニー・ルッソ
ネタバレあり

ご存じマーヴェル・コミックスの映像化作品。しかし、「キャプテン・アメリカ」シリーズと考えると題名に偽りありで、実質的に「アヴェンジャーズ」シリーズのような印象。但し、「シビル・ウォー」は内容をほぼ正しく表している。

先日観た「バットマンvsスーパーマン」もそうだったように、現在、アメリカのスーパー・ヒーローは、リベラルの人々から批判されることの多い世界警察アメリカの姿を投影され、悪と戦う時に発生する無辜の人々の犠牲という問題が反映される内容になっている。現実の世界では、大統領が変わって予算の問題から世界警察を止めると宣言したが、中近東の混乱はアメリカに帰するところが多いので、世界警察を止めるのは良くても、自分が原因の部分について頬かむりをするのはまた無責任と言わなければなるまい。

映画のお話。
 アヴェンジャーズは、防衛の際に多大な被害をもたらした為、国連の監視下に置かれることになる。直後にキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンズ)の旧友ウィンター・ソルジャーことバッキー(セバスチャン・スタン)が、調印式を行っているウィーンのビルを破壊した為に、式を代表するアフリカの国王の息子ティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)がバッキーへの復讐を誓う。
 これに対してキャプテン・アメリカはバッキーがはめられたことを掴んで救出する。協定を守ろうとするアイアンマン(ロバート・ダウニー・ジュニア)らは結果的に積極的に行動を興そうとするキャプテン・アメリカのグループと対立することになる。

上述したように現実の世界と照らして感興が湧くお話であるわけだが、アヴェンジャーズ+αの面々が二手に分かれて対決するアクションが大々的なスペクタクルを構成し、眼目となっている。
 アクションは長いともたれがちになるものの、本作は人物が入り乱れ変化が激しいのでそういうことにはならない。僕はこういうアクション構成を忍術合戦と称し大いに歓迎している。そのアクションには慌ただしくて良く解らない部分が散見されながらも、カットを刻む部分と比較的じっくり撮る部分とを上手く併用して見応え十分、細かく刻んでいる部分でもカット割りがなかなか良く計算されているので、細切れカットを多用する他の作品ほどは不満を感じない。前作の「ウィンター・ソルジャー」と本作の二作でジョーとアンソニーのルッソ兄弟はそういう技術を持つ監督ペアであると確認できた。
 但し、動きに不自然な部分がある。

アメ・コミの映画化は濫作気味で相対的に価値が下がっているが、SFアクションとしてのレベル自体は低くならない。これは大したものだ。

人情を交えるにしても、アメリカさんは巧いよ。明日アップ予定の邦画のSFと比べると段違いだ。

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