映画評「ア・ホーマンス」

☆☆★(5点/10点満点中)
1986年日本映画 監督・松田優作
ネタバレあり

松田優作唯一の監督(兼主演)作。3年後に夭折しなければ北野武のような面白い監督になったかもしれないと思わせる。そう思ったのもまず本作が一種の仁侠映画だからである。

記憶がないという風来坊・松田が、暴力団抗争に明け暮れる組の若手幹部・石橋凌と親しくなり、次第に友情を深めていく。その影響で石橋は、組長を殺されたのに自分の栄達だけを目的に敵の組長を狙わない副組長ポール牧と反目し、命を狙われる。彼を狙撃した男たちに何をやってもびくともしない不死身の松田が猛烈に逆襲する。

一応任侠映画の体裁を取っている前半は台詞が聞き取れないところが多くてお話としては余り乗れないが、その途上でしばしば松田の不死身ぶりを発揮するのは面白い。終盤に至って彼がサイボーグであると種明かし。その様子やサングラスの扱いなど「あはあ、(前年公開された)『ターミネーター』からの戴きだな」と思わせる展開が異色ぶりを発揮、映画ファンをニヤニヤさせる。

松田監督の仕事ぶりは、ビル群の夜景を捉えた画面をぐるりと回したり、意図不明のショットを挿入したり、一人合点の部分も少なくないが、省略を使った見せ方など新感覚の仁侠映画を作ろうとした意気込みは十分伺え、3年後に刑事映画で監督に進出する北野武に先行した形として認めて良いものがあり、軽んじるべきではないと思う。

狩撫麻礼(作)、たなか亜希夫(画)の手になるコミックの映画化。

想像するに、題名はバカなパフォーマンスという意味なんじゃろうね。二回目の鑑賞と思うが、全くお話が記憶にないお粗末。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2016年10月24日 01:40
松田優作・・・俳優としては面白かったですけどね。監督としてはどうなんだろう?と思っておりました。
生きていたらどんな作品を作ってくれたんでしょうね。
惜しいです。
息子が頑張っておりますけどね。
オカピー
2016年10月24日 16:53
ねこのひげさん、こんにちは。

昔見たような記憶もありますが、全く憶えていないので鑑賞しました。それなりに面白く、何本か作るうちに注目に値する作品も作ったのではないかという気がします。

>息子
兄貴のほうが似ていると思っていましたが、先日弟の風情がそっくりだったのに驚きました。本当は弟のほうが似ているのかもしれません。

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