映画評「ワン チャンス」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年イギリス=アメリカ合作映画 監督デーヴィッド・フランケル
ネタバレあり

2011年3月までお気に入りでよく観ていたTV番組「アンビリバボー」でもその人生が紹介されていたと記憶する声楽家ポール・ポッツの伝記映画。

子供の頃からオペラが好きだったポール(ジェームズ・コーデン)が、電子メールで文通していた恋人ジュルズ(アレクサンドラ・ローチ)に励まされてオペラの本場イタリアはベネチアで勉強を始めるが、そこで獲得したパヴァロッティの前で歌うチャンスも、生来の上がり症の為に酷評されてしまう。その後喉の病気や交通事故に次々と見舞われ、声楽を諦めた頃、芸能的才能を発掘するTV番組「ブリテンズ・ゴッド・タレント」に、妻となったジュルズに後押しされて応募、事前審査を通過し、いよいよ第一次審査の日を迎える。

色々と事故に巻き込まれる悲運の要素もある(が、余りの連続ぶりに笑ってしまう)ものの、核を成すのはパヴァロッティに指摘される箇所に代表されるように声楽家向きではない性格であり、従って、その克服を番組でやってのけるところが最も感動的な場面ということになる。事実、上がり症の自分を見るようで感涙させられました。

映画的には、素朴な大衆的サクセス・ストーリーを、奇を衒うことなく、英国映画らしく素直にのびのびと展開させたところが好もしい。ハリウッド映画や日本映画ならもっと大仰な表現になり、きっと鼻白んでしまうだろう。

「アンビリバボー」が番組ゲストの芸人の与太話が増えてきたのが気に入らず、母の死に伴うごたごたで観ないうちに観る習慣がなくなってしまった。映画になるネタを多く提供しすぎるのもネックだったかな。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年06月28日 11:53
その国の風土が醸し出す独特の作品があってもよいですね。グローバル化ばかりがのうではありませんです。
和田アキ子さんもあがり症で60過ぎた今でも歌う前にはオロオロと緊張しているそうであります。
オカピー
2015年06月28日 21:15
ねこのひげさん、こんにちは。

>和田アキ子さん
TVのクイズ番組などを観ても、ビビリ方が凄い。
番長風に見せるのはその小心の裏返しなのかもしれませんね。

この記事へのトラックバック

  • 『ワン チャンス』

    Excerpt: □作品オフィシャルサイト 「ワン チャンス」□監督 デヴィッド・フランケル □脚本 ジャスティン・ザッカム □キャスト ジェームズ・コーデン、アレクサンドラ・ローチ、ヴァレリア・ビレロ    .. Weblog: 京の昼寝~♪ racked: 2015-06-23 09:04
  • ワン チャンス/ジェームズ・コーデン

    Excerpt: イギリスの国民的オーディション番組に出演したのをきっかけに携帯電話ショップの販売員から夢であったオペラ歌手になったポール・ポッツの半生を描いたヒューマンドラマです。も ... Weblog: カノンな日々 racked: 2015-06-23 09:14
  • ワン チャンス ★★★.5

    Excerpt: イギリスの人気オーディション番組での優勝をきっかけに、一夜にして携帯電話の販売員から世界的オペラ歌手となったポール・ポッツの半生を映画化。恥ずかしがりやでパッとしない容姿、不運続きの彼がオペラ歌手にな.. Weblog: パピとママ映画のblog racked: 2015-06-23 17:03
  • 誰も寝てはならぬ~『ワン チャンス』

    Excerpt:  ONE CHANCE  ウェールズの小さな町に住むポール・ポッツ(ジェームズ・コーデン)は、歌う ことが大好きな青年。幼少のころからいじめられ、冴えない外見の彼だ.. Weblog: 真紅のthinkingdays racked: 2015-06-24 05:17
  • 『ワン チャンス』('14初鑑賞29・劇場)

    Excerpt: ☆☆☆★- (10段階評価で 7) 3月22日(土) OSシネマズ神戸ハーバーランド スクリーン4にて 14:00の回を鑑賞。 Weblog: みはいる・BのB racked: 2015-06-27 19:52