映画評「300<スリーハンドレッド>~帝国の進撃~」

☆☆★(5点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督ノーム・ムーロ
ネタバレあり

大評判を取った歴史グラフィック・ノベル(フランク・ミラー作)の映画版第2弾。
 前作は総合的には一定の評価を与えつつ「戦闘が踊りのよう」とコメントを付けた。要は世評ほど興奮させられなかったのである。第二弾は前作で監督をしたザック・スナイダーが共同脚本に回り、監督は全く知らないノーム・ムーロ。

前作の主題となったテルモピュライの戦い(紀元前480年)でスパルタのレオニダス1世が戦死したのを受けて、アテナイ(アテネ)の将軍テミストクレス(サリヴァン・ステイプルトン)がギリシャ軍を率いてクセルクセス1世率いるペルシャの大軍と戦うことになる。高校時代、世界史でテミストクレスの名と共に憶えたサラミスの海戦である。

本作ではクセルクセスは傀儡で、戦闘の指揮を執るのは架空の(ヘロドトスの「歴史」にも出て来るそうで、僕の調査不足。お詫びして訂正致します)女丈夫アルテミシア(エヴァ・グリーン)。恐らくギリシャの地名アルテミシオン(戦地名)から作った名前であろう。
 20年くらい前までは歴史の陰に女ありだったのが、最近の映画界では歴史の表に女ありで、それも武道の達人だったりする。アメリカには変な映画コードがあり、近年は有色人種をなるべく出さないといけないらしいが、まさかアクション映画では女丈夫を出さないといけないなんてコードはないでしょうな。
 女性故にトップ会談では色っぽい場面も演じるわけで、全体としては誠に硬派な性格の中に軟派なムードが添えられる効果はある。

しかし、その二人の繰り出す戦略が具体的でなく殆ど理解できない為、肝心の戦闘場面が面白くないのは問題。例外はペルシャ軍が原油を使って火を放つところぐらいで、(イスラム教が起こるのはこの1200年くらい後だが)自爆テロのような場面もあった。

戦闘場面は前作の手法を踏襲してスローモーションを多用しているのでダンスのように見える弊害はそのままながら、幾分戦闘らしくはなっているかもしれない。が、全体としては、配役陣を含め、やはり第一作のインパクトには及ばない。

濃霧・霧路(ノーム・ムーロ)監督、五里霧中の心境で作っていたにちがいない。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年05月17日 14:27
どんな分野でも二作目というのは難しいようですね。
小説でも1作は誰でも書けると言われてますしね。
何作もコンスタントに作れるのがプロだそうでありますしね。
オカピー
2015年05月17日 20:14
ねこのひげさん、こんにちは。

少し意味が違うかもしれませんが、大リーグへ渡った直後のイチローが「三年続けて良い成績(打者なら3割)を出せて本物」と言っていたことに通ずるかもしれませんね。

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