映画評「オンリー・ゴッド」

☆☆(4点/10点満点中)
2013年デンマーク=フランス合作映画 監督ニコラス・ウィンディング・レフン
ネタバレあり

世評ほどは買わないまでも興味を覚えた「ドライヴ」を作ったニコラス・ウィンディング・レフンとライアン・ゴズリングの監督=主演コンビが再度組んだという話題性があるが、一人合点の極みで戴けません。とりあえずお話をば。

タイ、キック・ボクシングのジム(クラブ?)を経営しているゴズリングが殺人を犯したパートナーの兄を三人の男性に殺され、アメリカからやって来たギャングの女ボスたる母親クリスティン・スコット・トーマスにけしかけられて復讐の為に人を雇うが、一人をやっつけたところで袋小路に嵌る。警官を従えた謎の中年男ヴィタヤ・パンスリンガムの前に為すすべもなく、息子に強権的な圧力をかけた母親も無残に殺されてしまうのである。

というアウトラインが比較的解りやすいのに対して、徹底して省略されている為にディテイルに解らないところが多すぎる。主人公の兄弟がボクシング・クラブをやっているというのも映画サイトの説明で承知した次第。そう言われればそのように見えるだけである。
 母親との会話の中で主人公がタイにいる理由が解るのは良いと思うが、一部の人が行っている“謎の中年男=神”という解釈が果たして正しいのかどうかはよく解らない。そう言われればそのように感じられないでもないというだけである。

仮に中年男が神であるとすれば、罪を犯した者に対して中年男が残虐な行為を以って報いるのは納得できる。ブログを始めたばかりの頃「ドッグヴィル」(2003年)のヒロインを神若しくは神の使いとし“神は残酷である”と述べたら反発を食らったことがあるが、神と仏を混同してはいけない。神が至って残酷であることは、旧約聖書を読めば解る筈だ。本作の中年男に比べれば、かの映画のヒロインの方がそういう旧約聖書的な解釈を取りやすい。

全体として人物を様々なサイズで正面から捉えることの多いスタイリッシュな映像が印象には残るものの、★を増やすに至らず。「ドライヴ」の好評がなければ日本ではお蔵入りだったのではないだろうか?

今気づいたが、「ドッグヴィル」の村名"Dogville"は恐らく dog+ville からなる言葉で、最初の"dog"を後ろから読むと"god"になる。

この記事へのコメント

ねこのひげ
2015年01月27日 12:27
えらくほめている人もいるようですが・・・・
わけのわからんところが多く深読みするほどの作品でもないでしょう。
オカピー
2015年01月27日 18:55
ねこのひげさん、こんにちは。

この手の映画は自力でピンと来ると評価したくなるものですが、そうでないと良い評価はしがたいですね。「ドッグヴィル」では正にピンと来たわけです。多分、敢えて分析はしませんが、作り方に明確な差があるのだと思います。

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