映画評「ストリート・オブ・ファイヤー」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1984年アメリカ映画 監督ウォルター・ヒル
ネタバレあり

30年前映画館で観て「ウォルター・ヒルやるなあ」と思った。それ以来二回目の鑑賞。

時代は一見1950年代だが、女性のファッションなどは1980年代風で、「ロックンロールの寓話」というサブタイトルがなければ最後まで首を傾げっぱなしで観ることになっただろう。

風来坊のマイケル・パレが久しぶりに故郷に帰るやいなや、昔の恋人で今は女性ロックンローラーとして一世を風靡するダイアン・レインが暴走族に誘拐される事件に遭遇、彼女のマネージャーのリック・モラニスや酒場で知り合った女兵士エイミー・マディガンと協力して救出し、最後には暴走族のリーダー、ウィレム・デフォー(当時はまだ知名度が低かった)と白兵戦を繰り広げて勝利、ダイアンとの愛を確認しつつも、また故郷を後にせざるを得ない。

というお話は、完全に「シェーン」を筆頭とする股旅もの西部劇の構図を踏襲しているので、寧ろ僕らより上の世代の方々に受けそう(過去形で言うべきか?)。

ヒルの良い点はアクション描写に切れとパンチがあることで、本作ではパレが銃でオートバイを次々と倒していく場面の切れ、デフォーとの一騎打ちのパンチ溢れる描写などその最たるものと言うべし。93分という短尺ですっきり無駄なくきちんと進められた展開ぶりにニコニコして映画館を後にした30年前の感想はそのまま変わらない。

当時美貌に磨きがかかってきた人気若手女優ダイアンよりキャスト順として上に抜擢されたマイケル・パレのクールさに痺れた。しかし、結局パレは大スターになれず、大量のお安いアクション映画でお茶を濁して現在に至る。

音楽映画としてもなかなか楽しめるが、多分歌は苦手であったのだろう、ダイアンの歌は吹き替え。

先日観たヒルの新作「バレット」は、もう少し高く評価しても良い気になった。

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この記事へのコメント

2014年08月22日 11:35
ダイアン・レインの歌がよかったですよね。あのバンドがよかったということか。
私的には、ダイアン・レインの演じた歌手に夢を見てしまう女性が観ていてあああんな風に言う気持ち、わかるなあ、と、思って、あの女優さんもうまかったなあと思い出しますね。
小林信彦がコラムで日活の小林旭の無国籍アクションのいいとこを全部やってるみたいな映画だ、あの女性の元兵士が宍戸錠だ、と書いていて、そうなのか、と。そのころは昔の小林旭の映画は見たことがなくて。後でレンタルビデオで昔の日活アクションも観て、いわれてみるとたしかにそうだなと納得しました。
オカピー
2014年08月22日 21:01
nesskoさん、こんにちは。

音楽的にはいかにも1980年半ばのイメージ。
とにかく、少し前の「フラッシュダンス」とこの映画の主題歌は印象に残りましたよ。あれから30年経って僕も見かけは随分変わりましたが、精神の方は相変らず幼稚、困ったものです(笑)

>小林旭の無国籍アクション
日活の無国籍アクション自体がアメリカ西部劇の大いなる模倣の数々でしたから、そういう印象を受けても“むべなるかな”ですね。

>女性の元兵士が宍戸錠
これ、よく解りますね。
正に映画上は助演、役柄上は補佐に回った時の宍戸錠でした。
ねこのひげ
2014年08月24日 07:18
いまでもUSでは暴走族が走り回っているようですし、ちょっとしたことで暴動が起きたりしてますから、アメリカ人にとっては、現代版西部劇はリアルな話かもしれませんね。
脇役が良いと引き立つと映画でありました。
そういえば、切られ役専門の福本清三さんはついに主役になり、数々の賞を獲得しましたね。『太秦ライムライト』
続けていれば、いつかいいことがあるという事でありましょう。
オカピー
2014年08月24日 21:30
ねこのひげさん、こんにちは。

本文でも書きましたが、実に不思議な作品で、車やバイクや男性たちの様子は1950年代なのに、音楽や女性たちの様子は完全に1980年代。お話の構図は19世紀、但し、ねこのひげさんが仰るように、この構図はいつでも応用可能な感じです。

マイケル・パレ(晴れ)の役者人生は、晴れずに結局雨模様。やはりダイアン・レイン(雨)と共演したのがいけなかったのでしょう(笑)

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