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zoom RSS 映画評「ファーゴ」

<<   作成日時 : 2014/04/18 08:44   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1996年アメリカ映画 監督ジョエル・コーエン
ネタバレあり

山下敦弘監督の「松ヶ根乱射事件」を観た時本作を思い出したが、実際見直してみたら余り似ていず、雪と官憲の組み合わせがそれらしい程度。おとぼけという共通性にしても本作は微妙な線を狙っていて「松ヶ根」のストレートなおとぼけとは大分違う。記憶というのは本当に当てにならないものだ。

田舎町、自動車ディーラーの営業部長ウィリアム・H・メイシーが借金返済のため自分の妻を雇用者の知り合い二人組スティーヴ・ブシェミとピーター・ストーメアに狂言誘拐して貰い、社長でもある金持ちの義父にお金を出してもらおうとするが、二人組が車を止めた警官を射殺、それを目撃されたカップルの車を追いかけてこれも殺したことから、事件は当初の計画とは全く違う様相を見せていく。

というお話で、メイシー、ブシェミ、ストーメアの三人が特に純喜劇的な行動を取るわけでもないのに微妙に可笑しく、残忍さと緊張感の中におとぼけを浮かび上がらせるジョエルとイーサンのコーエン兄弟(監督はジョエル)のタッチが絶妙。

うだつの上がらない人物をやらせたらメイシーは絶品と言って良い。そこに加えて事件の担当になるのが、妊娠中の婦人警官フランシス・マクドーマンドというのも面白く、逆におとぼけの中にサスペンスが醸成されていく。

日系の同級生男性との再会シーンは些か無駄っぽいが、それも観客をじりじりさせるコーエン兄弟らしいおとぼけの一環と理解することができ、マイナスにならない。

おとぼけとサスペンスが相まって独自の凄みを発揮し強烈な印象を残す、コーエン兄弟の最高傑作。

本作も、コーエンの、もとい後年の映画に影響を与えた一本でしょうね。映画も、コーエンくらいまでは、もといこの辺くらいまでは面白かったのだけど、21世紀に入って本当にだらしなくなった。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
出ました、「ファーゴ」!(^ ^)

人間は、おかしく、怖く、そして、変。
見せ方、語り口、するするなめらか〜
コーエン兄弟の得意技絶好調作品でした。

>だらしなくなった。

あちこちモノ的にはあふれんばかりの
豊かさに囲まれている反面、人心、品性、
どこまでおちるか堕落の極へと真っ逆さま。
ジリ貧はなはだしい新作映画もご同様。昨今
暗がりから出て、薄〜く笑みを浮かべる程度の
作品、年に2・3度もあればいいほう。
劇場出たところ、街の景色がちがって見えるほどの
優れもの映画にはトンと お目にかからず。
しかし、文句も散々言うけれど、映画は大好き。(^ ^)
vivajiji
2014/04/18 09:46
vivajijiさん、こんにちは。

この映画の出演者四名は本作で一般的知名度がぐっと上がったのではないでしょうか。
この作品がなかったら、フランシス・マクドーマンドは憶えなかったのではないかな、などと失礼なことを思っております^^

>モノ的
溢れていますわ〜。
勿論大昔ですが、会社員時代、一時期寮に入っていました。
一度見えた母親に「ちらかっているねえ」と言われたものですが、僕の同僚などその比ではない。とにかく買って買って捨てないから、文字通りにものが部屋を占拠している。
経済を優先すると、個人も国も碌なことにならないと最近は思いますよ。少なくとも、個人も国も環境を破壊する。こりゃ間違いないですね(笑)
その点vivajijiさんは物を溜めないほうに見えますが・・・

新しい映画に関しては期待せずに少し本数を減らして観ていますが、何度も申すように、今は古い本を読むほうが楽しい。本も新しい小説には余り関心が向きません。精神衛生的に良くないのが多そうな感じもしますしね(笑)
オカピー
2014/04/18 19:54
こういった計画というのはとかく計画通りに行かなくなって面白くなるもので、ようやるわ!と褒めたくなる作品でありました。
ねこのひげ
2014/04/27 12:37
ねこのひげさん、こんにちは。

コーエン兄弟の、あの独自のテンポが最もよく生かされている作品ではないかと思いますね。
あの間、呼吸だけのブラック・ユーモアになります。
オカピー
2014/04/27 16:16

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