映画評「フェーズ6」

☆★(3点/10点満点中)
2009年アメリカ映画 監督デーヴィッド・パスター、アレックス・パスター
ネタバレあり

厳密には死体ではないので本当のゾンビ以外を扱ったものについて最近はアンデッドという言い方が流行ってきたが、アンデッドものは細菌パニック映画のヴァリエーションである。本作は感染者のいないと勝手に決め込んでいる思い出の地に向かう四人の男女の行動を描いた細菌パニックものだが、全くダメでござる。

そもそも致死率100%で空気感染もし、生存者が殆どいない世界で、生き残ろうとしたって無駄なあがき、さっさとくたばっちまえば良いと思えて来るので、最初からサスペンスにならない。

車が故障したので、ガソリンを提供して一緒に行動するという交換条件で娘が発症している父娘の車を手に入れ、二人を隔離して一緒に旅を続けることになるが、どこへ行っても殆ど全滅状態である以上まともな空気があるとも思えず、車の中をシートで仕切ったところでどうにもなるまい。観客にサスペンスを感じさせるには僅かでも希望を残す工夫をしなければならないが、どこにも見当たらない。出て来るのは工夫ではなく、阿呆な人間ばかりである。

あるいは作者もそんなことは百も承知で、人間のエゴを眼目に描こうとしたのかもしれない。死ぬ以外に道がないのに、感染した人間には非情に徹し、自分が感染すれば隠しまくる。病気になって死を待つより孤独に生きるほうが僕には絶対辛いと思われる一方、人間なるものはそんな絶望的な状況でもエゴを発揮するものとも思うが、逆に言えば日常の中のエゴのほうが余程怖い。わざわざ中途半端なサスペンス仕立てでエゴなど見せて貰わなくても結構であります。

主役の若者四人はクリス・パイン、ルー・テイラー・プッチ、パイパー・ペラーボ、エミリー・ヴァンキャンプが扮している。

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この記事へのコメント

ねこのひげ
2011年08月04日 04:49
あきもせず、おなじパターンの作品を作っているということは需要があるということですかね。
きのう早朝のフジテレビで『ゴーストライダー』をやっていたので観てしまいました。
ニコラス・ケイジの髪の毛がフサフサなのが奇妙で・・・(^_^.)
オカピー
2011年08月04日 20:10
ねこのひげさん、こんばんは。

>重要
ねこのひげさんもコメントを寄せてくれた「デイ・オブ・ザ・デッド」のコメント欄に時々「ホラー映画を知らない奴に書く資格はない」と同一人物と思しき輩から同工異曲の内容でコメントが入って来るのですが、“ホラー映画を知らない奴”という文言がどういうつもりか解らないんですね。
本文の中で「応用のきかないゾンビ映画が次々と作られる理由が解らない」旨を書いていますが、そのことを言っているのか、全体の評価に対して言っているのか?
僕は、遠回しに「理由が解らない」と書いていますけど、ねこのひげさんなら僕の真意がお解りになりますよね^^

>『ゴーストライダー』
時間つぶしには良いですよ^^)v
僕は昔イタリアのお安い史劇なんかを「ばかばかしい」と言いつつ喜んで見ておりました^^
最近は放映もされないなあ。
ねこのひげ
2011年08月05日 06:57
ホラー映画を知らないとはどう意味なんでしょうね。
昔は恒例のように夏になると怪談映画が上映されてましたが、それと同じだと思ってますけど・・・・しかし、またか!という感覚は否めないでしょう。
最初、ゾンビがゾロゾロと大量に出てきたときは驚きましたけどね。いままでは1匹程度がウロウロとしていただけですからね。
そういった意外性がなくなったんですよね。
1千体が1万体になってもそう驚きはないですよね。

そういえばイタリアの史劇映画がなりましたね。日本の時代劇と一緒でしょうからね。
オカピー
2011年08月05日 19:43
ねこのひげさん、こんばんは。

>夏になると怪談映画
なるほど。
僕は観客の程度が下がったという判断が優先していましたが。

僕は元来きたならしいのとおぞましいのは願い下げなので、そろそろゾンビ映画とスプラッターから引退しようと思っていますが、なかなかできないものですね^^;

>史劇/時代劇
西部劇もなくなりはしませんが、全盛期の50年代に比べたら嘘のように少ないですね。50年代は多分日本でも毎月観られたでしょう。

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