映画評「モリエール 恋こそ喜劇」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2007年フランス映画 監督ローラン・ティラール
ネタバレあり

フランスの三大劇作家の一人モリエールを読むなり観るなりしたことがある方なら相当楽しめる作品である。

若き日のモリエール(ロマン・デュリス)が大商人ジュルダン(ファブリス・ルキーニ)に借金の肩代わりをして貰う代わりに、商人が懸想している社交界の花セリメーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)に披露する為の演劇の指導をすることになる。夫人(ラウラ・モランテ)にそれがばれないようにモリエールは娘の教育係の聖職者として住み込みを始め、夫人と恋に落ちる。この時の経験が後年の名作「タルチュフ」になったと解る人には解るわけで、モリエールを知らなければ逆に余り面白くないシークエンスである。
 ジュルダンは一方で貴族ドラント(エドゥアール・ベール)にセリメーヌに関して根回しを頼んでいるのだが、貧乏貴族のドラントは息子とジュルダンの娘を結婚させることで双方共にハッピーになることを図っている。モリエールは娘に他に思う人がいると知ってお芝居を打たせて破談させる一方、ジュルダンを女装させてセリメーヌ主催のパーティーに紛れこませ彼女の本性を知らせる。

後半のお話は「町人貴族」のベースとなっているわけで、僕にしてもモリエールはこれから本格的に勉強しようと思っているくらいでそれほど詳しいわけではないが、監督・脚本のローラン・ティラールと共同脚本グレゴワール・ヴィニュロンがいかにもモリエールらしい細工のお話を、若きモリエールの知られざる日々として楽しみながら想像して書いた様子が思い起こされ、大変面白く観た。

とは言え、モリエールの少なからぬ作品群から適当に選んでアイデアを案出すれば良いところもあり良い気なもんだという気もするので★一つ減点。美術・衣装はなかなか豪華。

またの名は「恋に落ちたモリエール」。

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