映画評「黄金の七人」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1965年イタリア映画 監督マルコ・ヴィカリオ
ネタバレあり

1960年代に大流行して腐るほど作られた強盗・強奪映画を代表する一本である。小学生から大学生になるくらいまでTVでよく放映されていたから少なくとも2回は観ていると思うが、この手の映画らしく何年かすると詳細を忘れてしまう。

黄色い車両四台を捉えるロングショットに大きく鮮やかな黄色いタイトルがかぶさる、というのが60年代の映画らしい感覚で、その車から降りて来た6人が道路に穴を開け始める。実は市職員に偽装した強盗一味の実行グループで、教授と呼ばれる英国人フィリップ・ルロワ(この人自身はフランス人)が近くのホテルから無線で指示を出す。彼らを援護するのがお色気美人ロッサナ・ポデスタで、銀行の貸し金庫に発信器を置いたり、地下での作業音をマスキングする為に細工した車から音を出したり、重要な役目を果たす。

前半はこの強盗中に、本当の市職員が現れたり、銀行監視カメラの前に人が座ったり、アマチュア無線家の連絡を受けて警察が金庫にチェックに現れたりするサスペンスが眼目で、呼吸よろしく大いに楽しめる。グループ同士の通信を傍受したアマチュア無線家から連絡を受けて警察が動くエピソードは近年作「バンク・ジョブ」にそっくりなものがある。同作が借用したのかもしれない。

金の延べ棒が工場の流れ作業よろしく移動するのが漫画的で今観ても面白い。装置や道具が21世紀も10年過ぎた今観るとおもちゃみたいに見えるが、却って庶民的で実感が湧く利点として働く。
 漫画的と言えば、それまでのお姫様女優からお色気路線に変更したロッサナの配置や役柄などどうも後年のコミック及びTVアニメシリーズ「ルパン三世」に影響を与えているような気がする。

後半はうって変わって二転三転する仲間内での騙し合い、裏のかき合いで楽しませてくれるが、幕切れはこの時代の定石。

「黄金の八人」でないのは男女差別でございましょ。

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この記事へのコメント

2011年01月26日 16:41
頭脳明晰な教授とよく働く子分たち、
目にあでやかなロッサナ嬢。
役者揃ってお話し荒唐無稽ながら
トントントンとまことにテンポ良く
お約束の裏切りもにぎにぎしく
最後は何事も水に流してまたせっせと
こりもせず穴掘り作業・・・映像思い出すだに
懐かしく映画の匂いまで漂ってきそう。
これこそロッサナ嬢含めたキャプチャー画像
ぜひとも入れて欲しかった~とか
贅沢も言ってみる(笑)

プロフェッサーはじめ今は懐かしい赤星さん
などで賑やか賑やか、お話しは「七人の侍」まで
飛んで行きましたところの花咲くコメント付きの
拙記事TBさせていただきました。
オカピー
2011年01月27日 00:05
vivajijiさん、こんばんは。

>テンポ良く
最近の映画がテンポが良いと思っている人がいますが、カットが細かいことから生まれる錯覚ですから(笑)。リメイクすると9割以上の作品がオリジナルより長くなっているのだから、僕の言うことに嘘はありまへん(笑)
本作に限らずこの時代の娯楽映画のテンポは本当に良かった。勿論例外も多々ありますけどね。

>キャプチャー画像
すんまそん<(_ _)>
キャプチャーが取れるデスクトップのパソコンとこの作品を観たブルーレイ・レコーダーは繋がっていないのでございまして、将来的にもう一台ブルーレイを買いましたならもっと色々な作品でキャプチャー画像をUPできるのでござるのですが。
しかし、デスクトップも随分古くなりましたので、いつ壊れるか心配^^;

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