映画評「カバーガール」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1944年アメリカ映画 監督チャールズ・ヴィダー
ネタバレあり

1944年製作だが、我が国では1977年まで公開されなかったジーン・ケリー売り出し作品。僕が映画館で観た数少ないミュージカルの一本で、後日淀川長治先生主催「東京映画友の会」の二次会で初めて会った女性とこの映画について話したことを思い出す。
 監督が真面目だけで面白味のないチャールズ・ヴィダーなのでヴィンセント・ミネリやスタンリー・ドーネンのような洒落っ気や艶やかさは無理だが、振付にケリーとドーネンが関わっているので、MGMミュージカルを代表する「錨を上げて」「踊る大紐育」に通じる楽しさはある。

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ブロードウェイを夢見るコーラスガールのリタ・ヘイワースが成功のチャンスを掴もうと雑誌のカバーガール・コンテストに応募し、ライバルの陰謀で一度は落選するが、発行者オットー・クルーガーが青年時代に見染めた女性とそっくりだった為に採用されて人気者になってケリーが経営者兼監督を務めるナイトクラブは大繁盛。
 が、ケリーはブロードウェイの大プロデューサーのリー・ボウマンが彼女を引き抜こうとしているのを知って複雑な心境になり、練習に遅れたリタを首にする。
 自由になった彼女はブロードウェイでスターダムに駆け上り、ケリーらが慰問巡業に出ている間にボウマンとの結婚を承諾するが、ケリーの相棒フィル・シルヴァースの奔走により彼の思いを知って結婚を止め、かつて溜まり場だった酒場に駆けつける。

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ストーリーはこの時代のアメリカン・ミュージカルらしく楽観的で誠に他愛ないものだが、ミュージカルとして注目すべきハイライトが二つほどある。一つは彼女をスターダムに乗せるべきかどうか悩むケリーが分身と踊る、その名も"That's the Best of All"というナンバー。ケリーらしいアクロバティックな動きが楽しめる。もう一つは"Cover Girl"で、次々とカバーガールの美女が登場、戦前のレビュー映画を彷彿とするセットから取りを務めるリタが下りてくる。

その他、ケリーとリタとシルヴァースの三人がブルックリンの裏町で踊る"Make Way for Tomorrow"、新作ショー"Put Me to the Test"、開巻やはり美女が次々と出て来る"The Show Must Go On"も楽しく、この中に「ポセイドン・アドベンチャー」ではすっかり肥えたおばさんになっていたシェリー・ウィンターズがいるらしい。

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