映画評「孤児ダビド物語」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1935年アメリカ映画 監督ジョージ・キューカー
ネタバレあり

邦題からは些か解りにくいが、チャールズ・ディケンズの名作「デーヴィッド・コパフィールド」の通算4度目の映画化。

父親が死んだ後に生まれたデーヴィッドは母親が再婚した男が冷酷な男で母共々虐待、母が難産で死ぬと、100km程離れた町のワイン工場へ飛ばされるが、親切な経営者が債務不履行で逮捕された為大叔母(エドナ・メイ・オリヴァー)のいるロンドンへ向かう。

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途中で金や荷物を騙し取られた為によれよれになって辿り着く描写に代表されるように、子供時代は「オリヴァ・ツイスト」と共通する哀切なムードがある。女性客にはこの辺りまでの方が宜しいかもしれない。

大叔母は偏屈だが意外と好人物で継父を追い払ってくれ、弁護士事務所を経営する知人の許に下宿先を用意してくれ、彼はそこから学校へ通う。
 この後、情愛細やかな乳母の家でのゴタゴタや事務員ユーライア・ヒープ(レノックス・ポール)の事務所乗っ取り計画に巻き込まれて東奔西走、愛情を注ぐ所長の娘アグネス(マッジ・エヴァンズ)を無視して結婚したドーラ(モーリーン・オサリヴァン)との惨憺たる生活を経て作家として成功した彼はアグネスの愛に気付く。

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ディケンズらしい波乱万丈の物語で、原作がかなりの長編なので少年時代に比べて成年後は駆け足的で、ドーラとアグネスを巡る三角関係など展開的にピンと来ない部分がないではないが、ジョージ・キューカーらしく柔和なタッチできちんと作りあげている。

多彩な人物像も魅力で、映画史上一番顔が長いのではないかと思うエドナ・メイ・オリヴァー演ずる大叔母、優しい乳母、ワイン工場を経営するミコーバー氏、悪人では卑屈にふるまってやがて正体を現すヒープが大変面白い。

主人公は少年時代をフレディ・バーソロミュー、青年時代をフランク・ロートンが演じているが、フレディ君の好演が目立つ。

ユーライア・ヒープは有名なロック・バンドの名前にもなっていますな。

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