映画評「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」

☆☆★(5点/10点満点中)
1992年香港映画 監督ツイ・ハーク
ネタバレあり

リー・リンチェイが清末に活躍した黄飛鴻に扮するシリーズ第2作。

第1作はアフレコ音声がこもっていて不快だったが、こちらは大分改善されている。但し、スクリーンの前面に定位して遠近感に乏しいのは相変わらず。

弟子(マク・シウチン)と共に仏山から広州へ列車に揺られた黄が到着早々、外国人排斥に血まなこになって残虐行為を繰り広げる白蓮教徒たちが洋装という理由だけで同行の叔母(ロサマンド・クワン)を襲ったところを、見事な技で退ける。

というのが序盤のお話で、孫文と黄が知り合うきっかけになる会議場や学校、子供たちを避難させた領事館にも連中が襲撃を掛けてくるので、遂に堪忍袋の緒を切った黄はアジトに乗り込んで強敵の教祖と対決する。

第1作のほうが面白い。本作は、終盤のアクションが必要を超えて長くなる香港アクション映画の悪癖が顔を出し、その割に前半の見せ場が少ない、というより出し惜しみした感じがあるのである。とは言え、黄と教祖が椅子や布を駆使してその間全く下に降り立たずに闘い合うアクションは妙技中の妙技で、俄然目を見張らせる。さすがである。

ところが、教祖を倒したと思いきや、今度は革命を企図している孫文の出航を邪魔しようと悪徳提督がしゃしゃり出て、再び長い格闘となる。
 ここでの棒を使ったアクションも充実しているが、こう続くと些か飽きてくる。屋上屋を重ねた印象であり、バランス的に感心しない。

史実としては、白蓮教は18世紀末から19世紀初めの白蓮教徒の乱の鎮圧により弱体化していたので、清朝末期にはこうした現象はなかったと思う。映画用に、世界に目を向ける孫文の革命運動と上手く抱き合わせた形ですな。

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この記事へのコメント

2008年03月17日 12:20
ドニー・イェンとジェット・リーの対決が凄くて、シリーズ3作品の中では一番好きです。まあ、史実とはかなり違った内容もご愛嬌ということで…。
オカピー
2008年03月18日 02:20
ぶーすかさん、こちらへもコメント有難うございます。

アクションは確かに素晴らしくて、僕も「さすが」と申しておりますが、構成やあらゆることのバランスが映画においては最も大事だという観点で評価するのが僕のスタイルですから、バランスがかなり取れていないということになります。

史実と違うことはこの内容ですからどうでも良いですが、ついでに、主人公の実際の生年から考えると19世紀末では50歳くらいだったはずです。^^;

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