映画評「ザッツ・エンタテインメント」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中)
1974年アメリカ映画 監督ジャック・ヘイリー・ジュニア
ネタバレあり

僕がミュージカル嫌いを克服したのは「サウンド・オブ・ミュージック」のおかげと言って間違いないが、70年代半ばに観た本作のせいでミュージカル映画のファン度に拍車がかかったと思う。

ざっと紹介すれば、アメリカン・ミュージカル映画の代名詞であるMGMミュージカルを彩った主要な俳優、作品を網羅したMGM創立50周年アニバーサリー編集映画である。MGMにゆかりのある11人もの大スターが紹介役を務める形式は、後続のコンピレーション映画のお手本となっていて誠に楽しいものがある。

しかし、かかる編集映画に対して普通の映画評を書いてもつまらんということで、本作が紹介した作品を題名が解るものに関して「これからミュージカル映画を観よう」という方々の為にざっと採点してみることにしました。最初のうちは未見の作品が多いが、未見作品については<観たい度>をABCでランク付けすることで責任を果たしたつもりです。

A)何としても観たい
B)チャンスがあれば絶対観る
C)感興湧かず

ミュージカル・ファンの方は是非参考にしてください!


★★★フランク・シナトラ編★★★
戦前のMGMを飾った大作の紹介。但し、シナトラ出演作「下町天国」は戦後作でおまけ。
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ブロードウェイ・メロディ・・・☆☆☆☆★
ロザリイ・・・B
ローズ・マリイ・・・A
巨星ジーグフェルド・・・☆☆☆☆・・・上の画像
踊るニュウヨーク・・・☆☆☆
下町天国・・・B


★★★エリザベス・テイラー編★★★
リズの主演作から始まり、人気スター編といったところだが、日本ではいずれも未公開。大リーグ中継で御馴染みの曲をタイトルにした「私を野球につれてって」はかなり面白い。
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シンシア(未)・・・C
サウザンズ・チアー(未)・・・B
私を野球につれてって(未)・・・☆☆☆★・・・上の画像
ワーズ・アンド・ミュージック(未)・・・☆☆★
グッド・ニューズ(未)・・・B


★★★ピーター・ローフォード編★★★
エリザベス・テイラーやデビー・レーノルズら少女スターの紹介。
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愛の二週間(未)・・・B
スイングの少女・・・☆☆・・・上の画像
ハーヴェイ・ガールズ(未)・・・B


★★★ジェームズ・スチュワート編★★★
トーキー時代が訪れミュージカル場面に悪戦苦戦する一般俳優たち。クラーク・ゲーブルの踊りは珍品中の珍品でござるよ。
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ハリウッド・レヴィユー・・・A
無軌道行進曲・・・C
暁の爆撃隊・・・☆☆★・・・ミュージカルにあらず
踊るアメリカ艦隊・・・B
愚者の喜び(未)・・・B・・・上の画像


★★★ミッキー・ルーニー編★★★
彼自身とジュディー・ガーランドの共演作が次々と紹介されるが、ここでは主だったものだけ。そもそもルーニーは好きではないし、映画的につまらないものが多い。
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紐育・ハリウッド・・・C
初恋合戦・・・B
青春一座・・・☆☆
ブロードウェイ・・・☆☆★・・・上の画像


★★★ジーン・ケリー編★★★
トップ・ダンサーのケリーがもう一人のトップ・ダンサーのフレッド・アステアを紹介する。「トップハット」など初期の代表作が欠けているのが残念。
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ジーグフェルド・フォーリーズ・・・☆☆★
カッスル夫妻・・・☆☆☆☆
ダンシング・レディ・・・☆☆☆
バンド・ワゴン・・・☆☆☆☆☆・・・上の画像
恋愛準決勝戦・・・☆☆★
ブロードウェイのバークレイ夫妻(未)・・・☆☆☆


★★★ドナルド・オコナー編★★★
エスター・ウィリアムズの水中レビューに特化して紹介。シンクロナイズド・スイミングみたいなものです。
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世紀の女王・・・☆☆☆★
水着の女王・・・☆☆★
百万弗の人魚・・・☆☆★・・・上の画像


★★★デビー・レーノルズ編★★★
言わば、大物中の大物とは言いにくい人の紹介かな。その中にご贔屓アン・ミラーが入っているのは気に入らないが(笑)。
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土曜は貴方に・・・☆☆☆★
小さな町の娘(未)・・・B
ニューオーリンズの美女(未)・・・C
雨に唄えば・・・☆☆☆☆☆・・・上の画像
ショウボート・・・☆☆☆☆


★★★フレッド・アステア編★★★
ケリーの時とは逆のパターンで、アステアがケリーを紹介。ヘイリー・ジュニアも解っちょります。
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踊る海賊・・・☆☆☆
踊る大紐育・・・☆☆☆☆☆・・・上の画像
錨を上げて・・・☆☆☆
舞踏への招待・・・☆☆☆★


★★★ライザ・ミネリー編★★★
こちらはライザの母上ジュディー・ガーランドに特化している。
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イン・ザ・グッド・オールド・サマータイム(未)・・・B
踊る不夜城・・・☆☆
オズの魔法使・・・☆☆☆★・・・上の画像
若草の頃・・・☆☆☆
イースター・パレード・・・☆☆☆☆★
サマー・ストック(未)・・・☆☆☆


★★★ビング・クロスビー編★★★
クロスビー自身の出演作品と戦後カラー大作の紹介。
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虹の都へ・・・B
上流社会・・・☆☆☆
艦隊は踊る・・・☆☆★
略奪された七人の花嫁・・・☆☆☆☆★・・・上の画像
恋の手ほどき・・・☆☆☆★


★★★フランク・シナトラ編★★★
MGMがNO.1作品としたのがこちら。僕も異議なし。
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巴里のアメリカ人・・・☆☆☆☆☆


この中からベスト10を選べば・・・以下の如し。

1.巴里のアメリカ人
2.踊る大紐育
3.雨に唄えば
4.バンド・ワゴン
5.略奪された七人の花嫁
6.ブロードウェイ・メロディ
7.イースター・パレード
8.ショウボート
9.巨星ジーグフェルド
10.恋の手ほどき

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この記事へのコメント

2007年06月02日 00:13
いや~~~素晴らしいですね!!!
記事の更新、お疲れ様でした^^
前にもどこかに書きましたが、私にとってもミュージカル好きを加速させてくれたのが本作。
高校のころ友人と観たのですが、その友人もまたアステアに憧れ、白黒コンビのウィングチップ・シューズを買ったほどでした(笑)
靴だけでもアステアの気分を味わいたかったのでしょう(笑)

それにしても、改めて作品を整理していただけると、どれを観るべきかが一目瞭然という感じがします。でも、こうしてタイトルを観ると未見作ばかり^^;
トップ10で観ていないのは「ブロードウェイ・メロディ」。
もしかすると「恋のてほどき」も観ていないかもしれませんが、記憶が曖昧なところです^^;
2007年06月02日 00:14
(続きです)

私が気になるのはやはりアステアの作品群です。
「トップハット」や「コンチネンタル」、それに何といっても「有頂天時代」が無い!!!
と、ファンとしては文句を言いたくなってしまいます(笑)

写真付きなのが、またなんとも楽しい記事ですが、「ジーグフェルド」の巨大舞台、あれには本当に度肝を抜かれました。
水中レビューなども、今の映画ファンが観てもビックリすることでしょうね。

追伸
ケリーの作品は「舞踏への招待」が正しいタイトルではないでしょうか。トムとジェリーと踊る作品ですよね♪
オカピー
2007年06月02日 01:19
優一郎さん

文章は書きなぐりですが、画像の準備に結構手間取りました。
最初のうちは意外と未鑑賞の作品があって「おいおい」という感じでしたが、中盤からは大体見ている作品ばかりになり一安心^^;
「PART2」「PART3」も同じ形式でやりますよ。

>ブロードウェイ・メロディ
「踊るブロードウェイ」「踊るニュウ・ヨーク」「踊る不夜城」は続編ですが、断然面白かったのが29年の本編。最初の本格ミュージカルという記念的意味も込めて。踊子の足が妙に太かったりするのがご愛嬌。

>恋の手ほどき
アカデミー賞を10も獲った作品ですが、私はミュージカルとしては意外と買っていません。とは言え、楽しい要素も多いので辛うじて滑り込み。
(続きますです)
オカピー
2007年06月02日 01:21
>アステア
そうなんですね。「PART2」には出てきたかな。
「恋愛準決勝戦」は例の<お部屋をグルリ>で注目されていますが、何しろ全体が凡庸。あそこ以外に観るべきところが殆どありません。

>水中レビュー、ジーグフェルド
いやあ、正に。
MGMミュージカルは最高のファンタジーであり、最大のスペクタクルでした。MGMは遠くなりにケリー(笑)です。
悲しきかな、我々は遅れてきたミュージカル・ファン!!

>舞踏への招待
そうでした。直しました。ちょっと違うなあと思っていたのですが^^;
ケリーの作品リストでそう書いてあったので、そのまま使った私がアホでした(笑)。
豆酢
2007年06月02日 17:10
きゃあきゃあ、実は隠れミュージカル好きの豆酢です(^^ゞ
でもご紹介くださった作品の大半は未見だったり…(/_;)

「錨を上げて」には、確か子役時代のディーン・ストックウェルが出てたのじゃないかなあ。その関係で大昔に一度観た記憶が…。
過去の傑作に関しては不勉強なものの、なぜかエスター・ウィリアムズの水中レビューは観ているという(大笑)。いやー、さすがに彼女綺麗でした。現在問題になってるガリガリ女じゃなくてですね、ホントに健康的な肢体が目に眩しかったですう(^^ゞ。

「バンドワゴン」も大好き!私はからっきし踊れない人間ですが、素敵なミュージカルを観た後は足取りが軽くなってしまいますね。シド・チャリシーが大好きなんですが、この頃の彼女もまた健康的なスタイルでそれは美しゅうございました…(うっとり)。
オカピー
2007年06月03日 03:48
豆酢さん、こんばんは。

日本人は元来ミュージカル嫌いで、まして、リアリズム至上主義のような風潮のある現在、たまに作られるミュージカルも正統派は全くありませんね。幻想か、劇中劇か、そんな感じ。

>ディーン・ストックウェル
おおっ、調べたら確かに出ていました。気が付きませなんだ!
彼は「緑色の髪の少年」の少年役でしたね。
「錨を上げて」」はもっとコンパクトにすれば良い作品だったのに。

>エスター・ウィリアムズ
何しろ幻のオリンピック代表ですからね。戦争で中止にならなければメダリストだったかもです。それはしっかりしている体型です(笑)。

>バンドワゴン
リメイクの「Shall We Dance?」に出てきましたね、この作品。
シド・チャリシーはちょっとデビューが遅かったかな。50年代後半になるとミュージカルは下火になりますから。
豆酢
2008年06月27日 23:14
わははは。

上のコメントで、チャリシーとウィリアムズを熱く語っている豆酢です(^^ゞ。
本日大好きな「バンド・ワゴン」の記事をようやく書いたので、TBに参上いたしました。ああ、やっぱり良かったです~。何度観ても飽きない!この直後、ミュージカル映画は衰退してしまいますが、まさに消える直前のろうそくの炎のごとく、尋常ならざる熱気が篭もっていました。
それにしても、チャリシーの健康的な色気の素晴らしいこと(こればっかりや)!呆けた顔で画面に見入っていましたよ(^^ゞ。

う~ん、お次は「巴里のアメリカ人」と「雨に唄えば」の記事が書きたいなあ…( ̄▽ ̄)=3
オカピー
2008年06月28日 03:36
豆酢さん、こんばんは!

>尋常ならざる熱気
そうでしたね。落ちぶれたミュージカル・スターのお話でしたし、予感めいたものでもあったのでしょうか。
僕はリバイバルで映画館で観ましたが、色彩が良くて【最後の王道ミュージカル】を堪能しました。当時東京にいてラッキーだったな。

>シド・チャリシー
ベティ・グレイブルよりお顔が好みでした。
なんて言っても知っている人おらんやろうなあ。こんなことを言うとえらい年寄りみたいですけど、結構若いんでっせ(笑)。

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