映画評「朗らかに歩め」

☆☆☆(6点/10点満点中)
1930年日本映画 監督・小津安二郎
ネタバレあり

2000年映画鑑賞メモより。

まだ種々の作品を作っていた頃の小津安二郎監督のサイレント映画。

序盤は掏り騒動である。
 小太りの吉谷久雄を紳士風の高田稔が追い詰めて詰め寄り、何事かと人々が集まる。
 吉谷は何も持っておらず群れは散っていく。
 暫くして吉谷が高田に言う、「旨く行きましたね、兄貴」。

二人は掏りにかこつけて集まった人々に対して掏りを働いていたのだが、この序盤の映画的感覚の素晴らしさに息を呑む。

高田は中流階級の美人・川崎弘子に恋してチンピラを辞め窓拭きに精を出すが、昔の仲間の逮捕により旧悪が発覚して臭い飯を食らい、やがて出所して二人は結ばれる。

他愛もないお話と言えばそれまでだが、感覚の良さは冒頭部を始め随所に見られる。最近はマヤカシ的華美やハッタリ的技巧に走ってばかりで、こういう呼吸の良さで見せる作品が殆どない。寂しい限り。

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